岸田首相続投のカギ握る麻生副総裁と茂木幹事長の動向

自民党の裏金事件を受けた政治資金規正法の改正案は6月5日に衆議院で採決が行われ、公明党と日本維新の会などの賛成多数で可決された。

それに先立つ衆議院の審議で問題になっている企業団体献金について聞かれた岸田文雄首相は、「多様な考え方でさまざまな収入を確保することが政策立案には重要である」、「企業からお金を受けることによって、政策がゆがめられるということはない」と答弁した。政治資金規正法の改正案は、参議院での審議に移る。

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自民党と日本維新の会は、政治資金規正法の改正案について一度は合意文書を交わした。しかし、維新からの「反撃」にあい、最後まで大揉めとなった。旧二階派の衆議院議員はこう話す。

「岸田首相の頭の中にあるのは、改正案の内容ではなく成立の成否と時期。9月には自民党総裁選がありますから、それに専念したいのでしょう」

今国会の会期末にもとみられていた衆議院の解散総選挙も9月の自民党総裁選より後になるとみられている。すると次の焦点は内閣改造と自民党の党役員人事だ。

裏金事件で麻生派以外の派閥が解散となり、「自民党で派閥の意向が反映されない初めての内閣改造と党役員人事。まさに歴史の1ページになる」(自民党の大臣経験者)

そこで問題になるのが党役員人事。茂木敏允幹事長と麻生太郎副総裁の処遇だ。

岸田首相は、2021年10月に行われた総裁選で、幹事長や政調会長など党7役と副総裁などの役員任期を、1期1年、連続3期までに制限すべきと主張した。岸田氏が党内はもとより国民から支持された理由の一つだ。

結果として、自民党の幹事長として最長記録を更新していた二階俊博氏は、その座を退かざるを得なくなった。

茂木氏が幹事長になったのは2021年11月。麻生氏の副総裁就任は同年10月。二人とも間もなく3年になるので、これ以上の継続はできない。

茂木氏は、岸田首相よりも2つ年上の68歳。9月の総裁選に出馬せず、次の3年後を待つとなれば70歳を超え、出番がなくなるとみられるが、幹事長の座も追われてしまうということだ。

岸田首相が、ひそかに「次の幹事長」を打診した「大物」がいる。「次の首相」としては常に世論調査でも上位にランクインしている、石破茂氏である。前出の大臣経験者が次のように解説する。

「石破さんは岸田総理から内々に幹事長をほのめかされて、元首相に相談するなど、やる気満々だそうです。まだ1か月以上の先の人事を外部にしゃべる岸田さんも石破さんも、ちょっとどうかと思う」

政治資金規正法の改正にあたって、岸田首相が政治資金パーティー券を買った人の公開基準額を「20万円超」から「5万円超」に引き下げるとしたことで、茂木氏と麻生氏とは大きな溝ができたとされる。

さらに、永田町では「石破氏嫌い」で有名な麻生氏のこと。“石破幹事長”の話に、カンカンになっているという。その麻生氏も、副総裁の座から降りるしかないのだが……。

岸田首相は茂木氏と麻生氏にどう対応するのか――。麻生氏は前述の通り今も麻生派を維持。茂木氏も派閥を解散したとはいえ、茂木派を率いてきた。総裁選における二人からの支援は、岸田首相にとって必須だ。

前出の大臣経験者は、茂木氏について「『重要閣僚、財務相か外相で処遇するので総裁選では支援を』と引き留める手はある。ただ、首相になりたくて仕方ない茂木が簡単に応じるとは思えない。それこそ『後継指名』を約束するぐらいでなければダメかも」といい、こうも続ける。

「総理、副総裁までやった麻生さんの次のポストなんて見つかりそうもない。今、政治刷新本部の最高顧問である麻生さんゆえに、実質的な自民党最高顧問という処遇にするしかないでしょう。あと、麻生さんの義弟である鈴木俊一財務相を副総裁にして、ご機嫌をとるくらいでしょうか。鈴木さんに幹事長は重すぎるので。麻生さんが茂木を担げば、岸田総理もその座が危うくなる。内閣改造で支持率アップを図る前に、二人の大物をいかに処遇するかが総裁選の勝敗に関わってくる最大の課題。それに失敗すれば岸田総理は総裁選への出馬すら危うくなる」

3年前の総裁選では、安倍晋三元首相の後を受けた菅義偉氏が盤石かと思われたが、衆参の補欠選挙に負けたことで流れが一気に変わって出馬断念に追い込まれた。岸田首相の命運は、茂木氏と麻生氏が握っているということになるが……。

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