法令無視の姿勢が顕著な福岡県田川市の今村寿人市議会議員の支援団体「いまむら寿人後援会」が、福岡県選挙管理委員会に提出した政治資金収支報告書に虚偽の記載を行っていたことが判明。後援会活動の実態があったにもかかわらず収入、支出ともに「0」となっていた。政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いが濃いが、2023年に行われた田川市議会議員選挙で今村氏側が市選管に提出した「選挙運動費用収支報告書」にも虚偽の疑いが浮上している。
■「後援会事務所」の賃料は・・・
2月26日の配信記事で報じた通り、今村氏の支援団体「いまむら寿人後援会」は、2023年4月に行われた田川市議会議員選挙の告示前、下の画像にあるリーフレットや名刺をポスティングするなど大量に頒布していた。しかし、いまむら後援会が福岡県選挙管理委員会に提出した同年の政治資金収支報告書は、活動実態があるにもかかわらず収入も支出も「0」。悪質な虚偽記載であることは明らかだった。
ハンターが次に注目したのは、いまむら後援会の住所。ばら撒かれた印刷物には「田川市川宮908番1」と明記されている。しかし、後援会の収支は「0」。後援会の事務所費が支払われていないことになる。
後援会が県選管に届け出た主たる事務所の住所地は「田川市大字夏吉750番地4」。これは今村氏の自宅の住所で、後援会の事務所費が計上されないのは合法だ。だが、ハンターが田川市選管に開示請求して入手した今村氏の「選挙事務所設置届」から、別の疑問点が浮上する。
選挙事務所の住所は「田川市川宮908番1」。いまむら後援会が頒布した印刷物に記載されていた住所地と同一である。(*下の2点の画像参照。赤い書き込みはハンター編集部)つまり、市議選が行われた当時、田川市川宮908番1にあった建物は、告示前に「いまむら寿人後援会」が後援会活動の拠点事務所として利用し、告示以後は今村氏の選挙事務所になったということを意味する。
後援会事務所の賃借料が支払われていたはずだが、報じてきた通り、いまむら寿人後援会の政治資金収支報告書は収入も支出も「0」。政治資金規正法上の虚偽記載だ。そこで今村氏の選挙運動費用収支報告書を確認してみると、下の画像のように「事務所借上料」として354,000円が計上されていた。
事務所借上料の中に、後援会活動で使用された期間の賃貸料が含まれていたとみるのが普通。つまり、この選挙運動費用収支報告書の記載内容も、信用性がないということになる。
今村氏を巡っては、田川市内に“違法看板”を多数設置したり、「いまむら寿人後援会」が解散状態のまま政治活動を行うなど法令無視を繰り返していたことが分かっている。田川市長の不倫問題を厳しく追及しているという今村氏だが、同氏に人のことをとやかく言う資格があるのだろうか。