逮捕された原口自民党福岡県連会長の“選対本部長”

先月28日、福岡県警が、久留米市に本社を置く建設会社「メンテック」の実質経営者・尾関正敏容疑者ら3人を、県の出先である久留米県土整備事務所に虚偽の貸借対照表を提出したとして建設業法違反の疑いで逮捕した。尾関容疑者は、昨年6月に朝倉市の復旧事業にからんだ贈収賄事件で役員が逮捕された「九州防水」の社長でもある。

一連の事件は、暴力団捜査の過程で浮かび上がったものとみられており、「まだまだ入り口に過ぎない」と話す捜査関係者もいるほど。さらに、尾関容疑者が多くの自民党議員と親密な仲であることから、捜査の行方に注目が集まる状況となっている。

尾関容疑者と一番近いとみられている政治家は、自民党福岡県連会長の原口剣生県議。県議会議員選挙の際には、尾関容疑者が選挙事務所を仕切っており、カネのつながりがあることも分かっている。

原口県連会長が代表を務める政党支部「自由民主党福岡県久留米市第二支部」が福岡県選挙管理委員会に提出した2017(平成29年)年分の政治資金収支報告書によれば、尾関容疑者が代表を務める九州防水は同年10月、60万円を同支部に献金していた(*下の収支報告書参照)。

傘下に前出のメンテックを含む複数の企業を抱える九州防水は、グループ内で社内報を配布しているが、原口氏が頻繁に登場する。

九州防水グループのうちの一社に勤務していた男性によれば、社内報には原口県議を「九州防水グループ顧問」と紹介していたという。同グループの安全大会には毎年必ず原口氏が出席していたと話しており、尾関容疑者と原口氏の深い関係は、久留米市内でも周知の事実となっていた。

昨年7月、原口県議が代表を務める自由民主党福岡県久留米市第二支部の政治資金疑惑を報じたハンターは、取材の過程で質問書を送付し、その中で「同支部に寄附した企業の代表者の中に、暴力団関係者もしくは暴力団関係者と付き合いのある方がいるかどうか、お答えください」と聞いていたが、この点に関する回答は『そのようなことはないと思います』だった。“思います”では困るのだが……。

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