福岡県大任町に政治倫理条例違反の疑い|資産公開閲覧申請、2か月半放置

永原譲二町長による暴行事件や独裁的な町政運営で揺れる福岡県大任町が、今年6月に町議会議員から出された資産公開の閲覧申請を事実上黙殺し、2か月以上も放置された状態になっていることが分かった。永原町長が「決裁」を拒んでいるものとみられ、条例違反が強く疑われる状況だ。

◇   ◇   ◇

同町議会の次谷隆澄副議長が、町長の資産状況を確認するため「資産等報告書等閲覧申請書」を提出したのは6月20日。不可解なことに、その後1か月以上経って、請求の理由の一部を書き改めるよう役場側から指示されたという。文案は、次のように変わっている。

 意味のない書き変えの指示は単なる時間稼ぎだったらしく、閲覧請求提出から約2か月半を経た今も、町長の資産報告書は開示されていない。

「大任町政治倫理条例」は、資産等報告書の取り扱いについて、《町長等及び議員は、毎年1月1日現在押さん、地位、肩書、前年1年間の収入、贈与及び税等の納付状況を記載した次条に定める資産等報告書を毎年5月15日から同月31日までの間に、町長等にあっては町長に、議員にあっては議長に提出するものとする》(第6条)と規定しており、今年の報告書は提出済みのはず。条例はさらに《町長は、町長等の資産報告書とともに15日以内に、これを町民の閲覧に供しなければならない》(第6条4=下の画像参照。赤いアンダーラインはハンター編集部)と定めており、「15日」がとうに過ぎている現在、閲覧を拒む理由は存在しない。副議長の閲覧申請に応じない同町の対応は、明らかな条例違反だ。

 昨年、資産報告書の閲覧をするのに決裁が必要なのかどうか尋ねたハンターの取材に対し、永原譲二町長は「私は最高責任者」「私が(決済を)いるっち言っとるけん、私がいるんです」と答えており、閲覧申請の決裁権者が永原氏であることは確か。閲覧申請に応じていない以上、町長自らが条例違反を犯していることになる。

では、なぜ資産公開に応じないのか――?その理由は、近いうちに分かる。

 

この記事をSNSでシェアする

関連記事

注目したい記事

  1. 1日に開会された田川市議会の冒頭、陸田孝則議長に対する不信任決議を求める緊急動議が出され、採決の結果…
  2. 阪神タイガースとオリックス・バファローズのリーグ制覇を祝して11月23日の祭日に大阪と神戸でパレード…
  3. 本サイトでたびたび報告している首相演説ヤジ排除事件で、排除行為の違法性を問われて地元市民から裁判を起…
  4. 北海道立江差高等看護学院の在学生自殺事案をめぐり、第三者調査で認定されたパワーハラスメントと自殺との…
  5. 福岡県田川市、川崎町、糸田町、福智町の1市3町で構成する「田川広域水道企業団」が、約150億円をかけ…




LINEの友達追加で、簡単に情報提供を行なっていただけるようになります。

ページ上部へ戻る