永原譲二町長による暴行事件や独裁的な町政運営で揺れる福岡県大任町が、今年6月に町議会議員から出された資産公開の閲覧申請を事実上黙殺し、2か月以上も放置された状態になっていることが分かった。永原町長が「決裁」を拒んでいるものとみられ、条例違反が強く疑われる状況だ。
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同町議会の次谷隆澄副議長が、町長の資産状況を確認するため「資産等報告書等閲覧申請書」を提出したのは6月20日。不可解なことに、その後1か月以上経って、請求の理由の一部を書き改めるよう役場側から指示されたという。文案は、次のように変わっている。
意味のない書き変えの指示は単なる時間稼ぎだったらしく、閲覧請求提出から約2か月半を経た今も、町長の資産報告書は開示されていない。
「大任町政治倫理条例」は、資産等報告書の取り扱いについて、《町長等及び議員は、毎年1月1日現在押さん、地位、肩書、前年1年間の収入、贈与及び税等の納付状況を記載した次条に定める資産等報告書を毎年5月15日から同月31日までの間に、町長等にあっては町長に、議員にあっては議長に提出するものとする》(第6条)と規定しており、今年の報告書は提出済みのはず。条例はさらに《町長は、町長等の資産報告書とともに15日以内に、これを町民の閲覧に供しなければならない》(第6条4=下の画像参照。赤いアンダーラインはハンター編集部)と定めており、「15日」がとうに過ぎている現在、閲覧を拒む理由は存在しない。副議長の閲覧申請に応じない同町の対応は、明らかな条例違反だ。
昨年、資産報告書の閲覧をするのに決裁が必要なのかどうか尋ねたハンターの取材に対し、永原譲二町長は「私は最高責任者」「私が(決済を)いるっち言っとるけん、私がいるんです」と答えており、閲覧申請の決裁権者が永原氏であることは確か。閲覧申請に応じていない以上、町長自らが条例違反を犯していることになる。
では、なぜ資産公開に応じないのか――?その理由は、近いうちに分かる。