今年4月の市長選で初当選した内藤佐和子氏が“史上最年少の女性市長”として注目を集める徳島市。ハンターの調べで、市長会見動画の再生回数が急増していることが分かった。
調査したのは、YouTubeに投稿された徳島市公式チャンネルの中の市長会見動画の再生回数。遠藤彰良前市長が令和元年度に行った会見と内藤佐和子現市長による会見の、再生回数を比較した。
内藤市長が4月の市長就任後に行った記者会見は計12回。5月12日の会見以降は、通常版と手話付き版の2種類の動画があり、その合計値をとった。最多再生回となったのは、保育園事業の見直しを発表した6月3日の動画で2,794回。その他の会見動画もコンスタントに再生され、平均で700回を超えている。
一方、遠藤前市長の最多再生回は、市長選直前の3月24日分で151回。2月に100回超えが1回あるだけで、他は毎回十台に止まっていた。計19回行われた会見の平均視聴回数は、わずか44回という寂しさだ。
平均値での比較で、内藤氏の会見動画再生回数は遠藤氏の約16倍。市長が代わって、市政に対する関心度が高まったことは確かだろう。
内藤市長はこれまで、「政治に関心をもってもらいたい」と繰り返し語ってきた。会見動画の再生回数だけを見れば、市長の狙い通りの展開と言える。しかしそれは、「市政が充実したから」というわけではない。
予算執行目前で保育施設への補助事業を見直したことを契機に、「公約違反」を市民から厳しく批判される内藤市政。冷静に見れば、市民の関心の高まりは、市政への不満からくるものと言わざるを得ない。多くの市民が、厳しい目で内藤市長の発言をチェックしているということだ。
計画内容への疑問や財政難を理由に、白紙撤回された保育事業の対案が出されるのは9月議会。どのような待機児童解消策が出されるのか、市の内外から注目が集まる状況だ。