8月23日土曜日、大阪・関西万博会場内のあちこちに黒山の人だかりができた。秋篠宮家の次女・佳子さまが万博を視察されたのだ。発表されている日程では、午前に日本館、午後から3つのパビリオンを視察予定となっていた。朝9時過ぎ、最初の日本館前には多くの人が集まった。和歌山県から来ていた女性は、「佳子さまを一目見たいと朝9時入場のチケットをゲットしました。今日はパビリオンより佳子さまで動きたい」と興奮気味。しかし、会場の警備は大阪府警を中心に、すさまじいばかりの警備体制を敷いた。
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大阪府警の関係者はこう打ち明ける。「皇室の皆様が視察などで日本各地に行かれます。今、一番注目の的、簡単に言えば人気者なのが佳子さまです。5月に愛子さまが視察された時以上に盛り上がるはず。皇室の皆様方が国民への寄り添い、スキンシップを大切にされていることは十分肝に銘じていますが、人が多く集まるということは万が一の可能性が高まるということであります。従って万博などの会場は最大級の警備となります」
5月の愛子さまの視察では、大屋根「リング」に登るシーンなどが何度も来場者などに公開された。だが、今回の佳子さまの場合は、ひたすら「水面下」での動きとなった。日本館では裏口から入場。正面で待っていた来場者はまったくお姿を見ることができなかった。「ここには佳子さまは来ませんから」――と警備員の声がむなしく響いた。
午後、人が集まったのは「夜の地球 Earth at Night」のパビリオン。佳子さまの到着は午後2時前後なのに、日本館が終わると多くの皇室ファンがダッシュで移動した。パビリオンの裏口が見えるフェンス前は、何事かと驚く人たちが立ち止まる。
約3時間後の午後2時半、佳子さまが姿を現した。白地に紺色の水玉模様のワンピース姿で現れると「佳子さま!」「すごくきれい」と歓声が上がる。その中に、佳子さまの「出待ち」から次々と離れていく人たちがいる。見ると、あまりの熱気、暑さでダウン。木陰などに移動して、友人に支えられて冷えた水をもらうなど介抱を受けていた。一息ついたある女性が、「この暑さと佳子さまファンの熱気で、ちょっともちませんでした。残念」と話す。
万博の会場内を取材して歩いていると、何度も「前を開けてください」という声が聞こえる。熱中症で倒れた人を、「救護隊」というビブスをつけたスタッフがストレッチャーで運んでいるのだ。佳子さまが視察された日も、3回ほどそんなシーンがあった。
国際博覧会協会は「暑さ対策は十分やっている。大屋根リングも日よけ効果があり、他の場所より涼しい」とかねてから力説してきた。場内には、ミストや扇風機を巨大化したファンもあるが、効果は限定的だ。8月のお盆、午後1時46分の万博ゲート前の温度計は37.9度。《熱中症に注意しましょう》と注意喚起されていたが、「この暑さでどう注意するんだ。パビリオンには長時間並ばないといけないのに、どこも日よけなんかないじゃないか」と、疲れた顔で子ども2人を連れて帰る家族もいた。
万博で救護の関係スタッフに聞くと、「気温が上昇するにつれ、救護隊の出番が増えますね。特に昼から午後が多い。また、歩き並び疲れてか、夕方にもけっこう体調を崩されている方がいる。協会が発表していないので、詳しくは言えませんが『熱中症で重症になった』という話さえある。今の対策はあまりにお粗末です」と内幕を明かす。車椅子で来ていた来場者に聞くと「障がい者対策もまったくダメ。ひどいもんだ」と怒る。
その来場者が一例として挙げたのがリング下のベンチのこと。そこに行ってみると《優先座席 Priority Seat 体調が優れない方やご高齢の方などにおゆずりください》と優先席が設定されている。しかし、ベンチを離れて座り込む人はいても、ベンチを利用する人は皆無。気温は37.9度。ベンチにはまともに直射日光があたっており、すごい熱を持っている。座ると反対に体調が悪化してしまいそうだ。非常識な優先座席というしかない。
万博には、無料の給水所も多数用意されているが、ここも長蛇の行列。「万博は見て体験して楽しむところでしょう。実際は並ぶところだ」と来場者の一人がぼやく。実際に行けば、その気持ちがよくわかる。
博覧会協会の副理事長でもある大阪府の吉村洋文知事は《”黒字化”目安の1,800万枚到達 大阪・関西万博のチケット販売 閉幕まで2か月残し当初の目標達成 → あと2ヶ月残して1,800万枚突破しました。現在、毎週約40〜50万枚のチケットが売れています》とXに投稿しているが、ある大阪府の幹部職員はこう皮肉る。
「知事は自分が並ぶこともないし、エアコンのある迎賓館などにいつもいるから、猛暑やゲリラ雷雨の中で並んだ人の気持ちは解らないでしょうね」
前出の救護関係スタッフが、「死人が出ないでほしい」とつぶやいた。







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