参政党の化けの皮|公設秘書の党本部上納に内部から懸念の声

「暑い中、さらに熱い話を聞かされて、ふらふらです」と話すのは7月の参議院選挙で参政党から出馬して初当選したA氏。同党は、参議院選挙で選挙区7議席、比例区7議席の計14議席を獲得して躍進を果たした。秋の臨時国会の日程は決まっていないが、同党の議員たちは連日永田町に来ている。

A氏はその理由について「夏の合宿というか、国会に備えての勉強会が連日のように続いていますから」と話す。勉強会は神谷宗幣代表の発案だそうで、維新から移籍して当選した梅村みずほ氏ら国政の経験者が講師役になって「国会質問はすぐにまわってくる。国会議員としてきちんと質問できるようにしなければならないと梅村さんが言っていた。もともと、アナウンサーで話し方教室も運営していた梅村さんは、『きゅっと目を大きくして』『もっと背筋を伸ばして』などと厳しく指導しています。素人ばかりの集まりですからしょうがないんでしょうが……」とこぼす。

◆   ◆   ◆

自民党と立憲民主党は、参議院選挙の敗北責任を巡って党内抗争の真っ最中だ。維新は、石井章参院議員が東京地検特捜部の強制捜査を受けるなど。永田町の「国民不在」が続いている。参政党の“夏休み返上特訓”は当たり前のことだが、「それはある一面だけで、党内は大変です。以前から『神谷独裁』と話には聞いていましたが、実際に当選して党内の状況をみてみると、それが本当だったということを実感できています」とA氏が吐露する。

その一例が公設秘書の件だという。国会議員には3人の公設秘書が認められており、国家公務員としてそれぞれに給料が支払われる。公設秘書は、政策や政治活動のサポート役として国会議員を支える。

A氏は、当選した場合、3人の公設秘書のうち2人は選挙戦を手伝ってくれた人にしようと決めていたという。しかし思惑はあっさり崩される。

「党本部から『公設秘書はこちらで決める。神谷代表の意向だ』と指示されました。おまけに3人の公設秘書のうち1人ないし2人は、党本部勤務だというのです。国会議員として今後も選挙で勝ち抜くには地元活動が不可欠。公設秘書を自分で決められない上、一人以上を党本部に上納するなんてどう考えてもおかしい」(A氏)

そのA氏が、スマートフォンの画面を見せくれた。参政党がSNSのアカウントから《【参政党で働き日本を一緒に変えませんか?】職員募集中7月参議院選挙の「飛躍」を踏まえて、党本部では次世代を担ってくださる秘書、及び政策秘書候補を、党内外から追加募集します》と公設秘書を「公募」している内容だ(*下の画像)。

「党本部の方から聞いたのですが、参議院選挙で大勝したので秘書候補はすぐに集まると思っていたそうです。しかし、まったく集まらず募集をかけたとか」(前出・A氏)

参議院選挙では、自民党が改選数52に対して当選が39議席。少なくとも13人以上の議員秘書が職を失ったことになる。参政党の募集に飛びつこうとしたのは、そんな元秘書の中の1人だった。

「ネットで秘書募集を見て、すぐにと思いました。しかし参政党の極端な政策や主張がいやだなと躊躇しながら募集要項を確認すると、『本人確認書類 国籍確認書類』とあったのです。自民党議員の秘書採用で、国籍確認書類なんてまったくなかった。それに採用するのは議員であり、党ではないはず。参政党の募集を見ていると、党が秘書を管理するように思えました。おかしいですよね。実際、党の関係者からは『公設秘書であっても党本部の仕事が主になるんじゃないか』と聞かされました。そりゃやばいと思って、書きかけた書類は送信しませんでした」(元秘書)

「公設秘書は議員に仕えるのが一番の仕事です。自民党には専従の職員が党本部にくさんいますし、立憲民主党などの野党も同じです。公設秘書が議員会館や地元事務所ではなく、党本部の仕事に専従していれば、法に触れかねないと感じました。私のように参政党の募集に応じようとしていた別の落選議員の秘書にも相談しましたが、同様の意見でした。やばい、ということです。また参政党の、極端に偏った政策や主張にも腰が引けました」(同)

ある西日本の地方議員も、参政党から「秘書にならないか」と声がかかったという。「現職の議員をやりながら公設秘書をやってくれと頼んできた。今は、議員の仕事が目いっぱいで二股なんて無理です。それに、税金から議員と公設秘書の給料を二重取りすることになるので絶対にダメ。そんなことも知らずに頼んできたということでしょう。断ると『誰でもいいから紹介して』とまで言われましたが……」

今年5月、週刊文春が、参政党衆議院議員の議員会館の部屋に「監視カメラ」が設置されていると報じた。こうしたことに、前出のA氏が懸念を示す。

「(監視カメラに関する)週刊文春の記事で嫌気がさしている人もけっこういます。臨時国会を直前に、まだ公設秘書が決まっていない議員もいます。もともと『政治経験がない、真っ白な人を』と神谷代表は言っていた。それが今は『経験者が大事』に変わっています。当選して喜んでいたのですが、先行きどうなるのか心配です」

参政党の化けの皮が剝がれつつある。

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