今年3月に行われた大任町長選挙で永原譲二町長派の運動員として複数の有権者を買収、公職選挙法違反(買収)の罪に問われて略式起訴され罰金50万円となった男性が代表を務める建設会社「ユウセイ」に、事件を承知していたはずの永原町長が、約1,200万円(税抜き)の道路工事を発注していたことが分かった。工事発注は起訴から40日後。入札実施から8日後には福岡県と大任町が同社を2か月間の指名停止処分にしており、駆け込み発注と見られてもおかしくない形だ。便宜供与の疑いがある。
■代表者の有罪、承知で指名
大任町の所管課で入札結果表を確認したところ、ユウセイが11,930,000円で落札(契約金額:13,123,000円)したのは「岩石・桜木線道路整備工事」。入札は“8月18日”に、町が指名した5社が応札する形で実施されていた。入札結果を以下に示す。

買収事件でユウセイの代表が略式起訴されたのは7月9日。同社を指名停止にした福岡県によれば、公訴提起(起訴)された時点で自治体ごとに処分の検討を始めるとしており、町長選を巡る事件の経緯を身近で確認していたはずの大任町は、県以上に事態を重く見なければならない立場だ。処分を検討する責任も、それに要する時間もあったはず。県の方針決定を待つまでもなく、町は独自に判断を下すべきだった。一連の動きをみれば(*下の表参照)、ユウセイへの工事発注を睨んで、処分を意図的に遅らせたとの見方も可能だ。

8月26日には県が指名停止2か月の処分を発表。大任町の担当課は、その数日後、県の処分に合わせる形で26日に遡って同様の処分を下すことに決めたとしていた。町の処分決定はユウセイが落札した、わずか8日後。駆け込み発注の格好であることに議論の余地はない。
普通なら刑事事件を起こした人物が代表を務める業者を、公共工事の入札に参加させること自体が不適切。大任町の場合、問題になった処分対象の事件が“永原町長派による買収”だっただけに、なおさらだ。
■指名業者の決定権者は永原町長
一番の問題は、刑事事件を起こして有罪となった人物が代表を務める建設会社を、指名5社の中に入れることを認め、決裁した永原町長の姿勢だ。町の担当課によれば、それぞれの発注工事を所管する課ごとに指名業者の案を作成、最終的に永原町長が決裁する仕組みだという。つまり、決定権者は町長。ユウセイを指名業者にし、落札させた責任は永原氏にあるということだ。
これまで報じてきた通り、ユウセイの代表者は永原町長の実弟である永原譲二郎氏の甥。近年は、町長がもっとも目をかけてきた人物で、ユウセイは町長選を前にした昨年11月からコンスタントに町発注工事を落札し、わずか4か月間で6件計1億1,338万円の仕事を受注、そのうち1月から3月までのわずか40日ほどの間に、4件計8,833万円もの工事を請け負っていたことが分かっている。

どうみても永原氏から特別待遇を受けているとしか思えないユウセイの代表者だが、ハンターは、二人の親密度を示す別の不適切な事実を確認しており、近く詳細を報じる予定だ。















