“暴行・賭博・選挙違反”永原大任町長の事件に警察庁が「圧力」との情報|背後に自民党議員の影

福岡県田川郡大任町の永原譲二町長が犯した町民襲撃事件の後、警察庁の幹部が、他の件も含めて事件化しないよう福岡県警に圧力をかけたとの情報が広がっている。

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永原町長が警察沙汰を起こしたのは今月8日金曜日の夜。町政刷新を訴えようと印刷物を配布していた若者を集団で襲い、保持していた特殊警棒を振るって伸ばし、殴打する構えをみせて相手を恫喝していた。明かな暴行事件だった。

不可解なことに、県警田川署は永原氏の行為を早い段階から「事件性なし」で処理しており、意図的に永原氏側がでっち上げた主張に沿って事件の構図を歪めた可能性がある。

複数の関係者の話によれば、週が明けた11日~12日頃から警察庁最高幹部らが事態の掌握に動き、前任の県警幹部などを通じて、永原氏の暴走を事件化しないよう福岡県警に「圧力」がかけられたという。

永原町長を巡っては、元暴力団幹部が保有していた長男名義の別荘で常習的に賭け麻雀を行っていることや、町長選挙の慰労会名目で熊本県内の温泉旅館に支持者やピンクコンパニオンなど約40名を集めてハレンチ宴会を開く、いわゆる「事後買収」を行っていたことも分かっている。

警察庁からの圧力は、永原町長と関係の深い自民党関係者の依頼によるものとされ、一連の犯罪行為に蓋をする狙いがあるとみられている。

圧力の話は県警内部に広がっており、現場の警察官から反発や疑問の声が出ているという。事情を知るある県警OBは、次のように話している。
「警察庁から圧力がかかっているという話は、県警内部でもうずいぶん広まっている。警察庁幹部を動かせるのが、ごく少数の自民党関係者に限られることも周知の事実だ。福岡出身の警察庁幹部もいて、話がしやすかったはずだ。いずれにしても、犯罪行為が目の前にあるのに、それを見逃していたら警察の存在意義がなくなる。やるべきことはやらなければならない。一方的に権力者の話を鵜呑みにして、悪をのさばらせることがあっては絶対にならない」

別の事情通は、警察内部の動きについてこう語る。
「有力政治家や警察組織の上層部といった権力上位者が『●●の件はどうなっているんだ』と聞いたとする。すると、周辺の事情を知る警察官は勝手に忖度して、事件の方向性を歪めることがある。事件の“もみ消し”もあるだろうし、被害者と加害者が逆になったりすることもある。今回の大任町の件は、分かりやすい一例だ。特殊警棒を振り回して相手を威嚇した時点で、立派な犯罪行為だろう。田川署は、町長は護身用に特殊警棒を所持していただけで、隠し持っていたわけではないから問題ない、などという理屈を並べているらしいが、役場の職員に会うのに警棒は必要ない。しかも、それを隠す場面まで撮影されている。隠したことと、違法性なしの主張に合理性がないということだ。ハンターが暴いた賭け麻雀も、選挙違反も事実なら犯罪。町長や町長と親しい政治家は、相当慌てているはずだ。おかしな圧力がかかっているという話は、極めて信憑性が高い」

警察は、被害者や弱者の味方であるべきで、政治権力者の走狗ではないはずだ。警察庁最高幹部を使った横車に反発する警察官が大勢いるのは救いだが、毅然として悪の連鎖を断ち切る姿勢をみせなければ、警察が犯罪者の共犯ということになりかねない。

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