筑後市長選現職陣営出陣式で正体みせた怪文書騒ぎの黒幕

今月14日に投開票される筑後市長選挙で2期目を目指す現職陣営の出陣式に、自民党の藤丸敏衆議院議員が参加したことで波紋が広がっている。

この日藤丸氏が参加したのは、立憲民主党系の労組や公明党が支持する現職・西田正治氏の出陣式。同日午前に行われた自民党推薦の新人候補・宇野晶氏の出陣式を欠席したため、関係者から、“反党行為”を咎めるともに「やっぱりな」「正体見えた」などと、冷笑される事態となっている。

■現職担ぐ怪文書ばら撒きグループの後ろには・・・

現職陣営を中心となって支えてきたのは、原口英喜元市議会議長や市議選で落選して副市長になった北島一雄氏。両人は、全農パールライスが取得した土地の疑惑に絡め、地元の県議や市議らに濡れ衣を着せる形の印刷物をばら撒いてきたグループの一員だったことが分かっている。(*参照記事⇒「筑後市の怪文書騒ぎ|副市長と前議長の関与明らかに」)

現職陣営が、地元の有力政治家を潰そうと仕掛けた権力闘争だったが、彼らの後ろにいるとみられていたのが藤丸氏。汚い謀略との関係が疑われてからは大人しくしていたというが、総選挙が終わったとたん、現職の応援に入るという形で正体を現した。

ある自民党関係者が、こう話す。
「やっぱりな、という感じ。原口や北島の後ろには藤丸さんがいると指摘する声が少なくなかった。何種類もの印刷物を作ってばら撒くのには相応の予算がいるはずで、面倒みることができるとすれば藤丸しかいないと思っていた。正体みせた、というところかな。そもそも藤丸さんは、自民党推薦候補の出陣式に出るのが当たり前なのに、自治労などの労組が推す現職のところに行ったというんだから、反党行為だろう。こないだの衆議院選挙で、立憲民主党の女性を応援しに行って、除名申請された元自民党副総裁のケースと同じ。藤丸さんも自民党除名だ」

筑後市在住の市議会関係者は、騒ぎの構図を次のように解説する。
「藤丸代議士の後ろには、じつは古賀誠さんという大物がいる。古賀さんの了解なしで、藤丸が筑後で騒ぎを起こすとは思えない。古賀・藤丸コンビが、原口元議長らを使って力を持った地元の県議を潰そうとした可能性がある。理由?そりゃあんた、県議会がムダな道路計画の予算を通さなかったからだよ。3号線バイパスね。土木利権は古賀さんの米びつ。もちろん藤丸にとってもね。恨み骨髄でパールライス疑惑をでっち上げさせたという見立ては、そうは間違っていないと思うよ。それしても、自民党の代議士が、党の推薦候補そっちのけで、問題ばかりの現職陣営を応援するとは――。まあ、分かりやすい構図ではあるけどね」

自民党県連が推薦した新人を支援せず、陰謀好きの連中が集う現職陣営の出陣式で応援の挨拶をした藤丸氏。実はその現職も、政治資金規正法違反という大きな問題を抱えているのだが……。
(*参照記事⇒「えた寄附金150万円|西田正治筑後市長に政治資金規正法違反の疑い」・「福岡・筑後市長の後援会に政治資金規正法違反の疑い」)

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