福岡・筑後市長の後援会に政治資金規正法違反の疑い

西田正治筑後市長の支援団体「西田せいじ後援会」が、市長選挙が行われた2017年(平成29年)に後援会活動用の印刷物を作成しながら、福岡県選挙管理委員会に提出した同年の政治資金収支報告書に記載していなかったことが分かった。

後援会活動に要した他の支出も含めて選挙運動費用に計上したとみられ、一連の不記載が政治資金規正法に抵触する疑いがある。

■消えた「リーフレット」の印刷費

下は、西田市長が初当選した2017年に、市長の支援団体「西田せいじ後援会」が市内の関係者などに配布した三つ折りの「リーフレット」だ。(*画像下が中面)

次に下が、西田せいじ後援会が県選管に提出した2017年(平成29年)分政治資金収支報告書の表紙。リーフレットに記載された住所と報告書にある事務所の所在地は一致しており、上掲のリーフレットが「西田せいじ後援会」の発行したものであることは明白だ。

すると、同年の政治資金収支報告書にリーフレットの印刷費が「支出」として記載されていなければならない。支出があれば、それを賄うための「収入」もあるはずだ。この選挙の年、市長の後援会にはどのくらいの収入があり、支出額はいかほどだったのか――?収支報告書の2ページ目にある「収支の総括表」を確認した。

なんと、選挙の年だというのに収入も支出も「0」。1円も動いていない形になっている。しかし、立候補表明から告示日までは本人と後援会などの政治活動しか認められていないため、支援組織の収入・支出が皆無というのは、あり得ない話である。

同年の筑後市長選挙は、11月19日が投・開票日。前任市長の引退を受けて副市長を務めていた西田氏が担ぎ出されたが、他に立候補者はなく「無投票」となったため、選挙戦は告示日の1日だけだった。それでも告示日までは「後援会活動」が展開されていたことが分かっており、前出のリーフレットが一定量、市内で配布されていた。やはり、収支が「0」ということはない。可能性があるとすれば、後援会活動に関する収入や支出を、意図的に「選挙運動費用」に計上することだ。筑後市選管に開示請求して入手した西田市長の「選挙運動費用収支報告書」を確認してみた(下は報告書の表紙と支出の部の一部分)。

調べたところ、「リーフレット」という支出目的は見当たらない。リーフレットの印刷費が、どこかに消えた形だ。そこで注目したのは、「名刺等作成費」として支出された587,520円である。

選挙期間中に使用が認められた印刷物は公選法で厳しく規制されており、ポスターや選挙はがきなどに限られる。たった1日の選挙戦で、印刷物に60万円近い金額がかかるというのは不自然だ。領収書の写しを確認したところ、案の定、あて先は「西田せいじ後援会」となっていた(下の画像参照)。西田市長の陣営は、後援会活動にかかった支出を選挙運動費用として処理した可能性が高い。

不適切な政治資金処理はリーフレット代だけではない。西田陣営が設置した事務所の地代(400,000円)や仮設・備品代(650,000円)も選挙費用に計上されているが、いずれも告示前の「後援会活動」の期間が含まれているのは確か。政治資金規正法は、政治団体が年間に得た収入と支出の全てを政治資金収支報告書に記載するよう定めており、西田せいじ後援会の“不記載”が疑われる状況となっている。

筑後市では、原口英喜市議会議長が、政治資金規正法が定めた政治団体設立の届出をせずに20年以上も違法な後援会活動を続けてきたことが明らかになったばかり。市長にも政治資金処理の問題が生じたことで、疑惑の範囲が広がった格好だ。筑後市は、どうなっているのか?

 

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