【動画公開】銃猟自粛の北海道・砂川でヒグマ目撃相継ぐ|箱罠で3日連続捕獲も出没止まらず

地元猟友会が銃による有害鳥獣駆除を自粛している北海道・砂川市で連日、ヒグマの目撃情報が相継いでいる。自治体と猟友会は各所へ箱罠を設置し、9月19日まで3日連続で問題個体を捕獲したが、その後も住宅地などでクマの姿を目にしたとの情報が絶えない。緊張が続く中、猟友会関係者は「雪が積もるまでは気が休まらない」と、警察などと連携して現場の見回りを続けている。

■3日連続で捕獲されたヒグマ

9月17日に箱罠でのヒグマ捕獲を確認した猟友会砂川支部長の池上治男さん(76)によれば、自治体と猟友会は銃によらず問題個体とみられるクマを捕獲するため、市内で目撃情報の多い地点に重点的に箱罠を設置している。この日捕獲されたクマも付近で足跡などが目撃されていた個体である可能性が高いという。(以下の動画は音量にご注意ください。)

 

翌18日には、小学校の近くなどで8月から目撃情報が相継いでいた個体とみられるクマが箱罠にかかった。首の周りの毛が白い特徴的な姿から目撃個体にほぼ間違いないといい、自ら罠を確認した池上さんは「これで学校関係者も安心できるのでは」と胸を撫で下ろした。

 

ところがその日の夕方から夜にかけ、また別の地区から目撃情報が届いた。池上さんは休む間もなく現場へ急行、足跡などの痕跡を確認して地域に注意を呼びかけた。そして翌19日、またしても箱罠には1頭のクマの姿。捕獲されたクマは罠の中でかなり暴れたらしく、金属の檻が所どころひしゃげて今にも内側から壊されそうな状態だった。3日連続の捕獲も地域に安心を戻すには到らず、やはりその日のうちに住宅街などで新たな目撃情報が続いた。

 

本サイトなどで繰り返し伝えている通り、自治体の要請でヒグマを駆除した池上さんは地元公安委員会に銃所持許可を取り消され、現在その処分の撤回を求める裁判を闘っている。砂川の猟友会ではこの一件以来、銃によるヒグマ駆除を自粛しているところで、池上さんらメンバーは丸腰で見回り活動を続けざるを得ない状況。今夏はとりわけ目撃情報が多く、市の担当課には4月から9月中旬までに120件以上の情報が寄せられた( ⇒こちら)。目撃地周辺では警察がドローンを飛ばすなどで警戒を続けているといい、狩猟経験の豊富な池上さんは現場の警察官らへの助言も怠らない。北海道は砂川市一円へのヒグマ注意報発令期間を10月7日まで延長(再延長)したが、池上さんの認識では現状はすでに「注意報レベル」ではないという。

「これは緊急事態宣言を出してもおかしくない事態。周辺の自治体の中には草刈りや木の伐採などでクマの通り道を遮断するなどの対策を講じている町もあり、行政にはそういう地道な活動の継続が求められる。とはいえこれだけあちこちに出ている状況では、我々も雪が積もる時期までは気を抜けないと思う」

これもたびたび報じている通り、先の池上さんの裁判は現在上告中だが、現時点で最高裁の判断は伝わっていない。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

 

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