【速報】永原譲二大任町長、教育事業で中学生派遣のセブ島に選挙買収の業者を同行
福岡県大任町の永原譲二町長が、昨年8月に同町教育委員会が教育目的でフィリピンのセブ島に中学生を派遣した際、実弟と実弟の甥にあたる建設会社代表の男性を伴って現地に行っていたことが分かった。
利害関係のある業者と旅行に行くことは、著しく政治倫理に反する行為。町の政治倫理条例に違反するだけでなく、業者側に何らかの支払いを任せていた場合は、贈収賄の疑いさえ生じる重大事態となる。
■教育事業でセブ島派遣
大任町教育委員会への情報公開請求で入手した資料によれば、中学生のセブ島派遣が実施されたのは昨年8月。英語学習や文化交流を通じて国際社会に貢献できる人材を育てる目的で、同月18日から26日まで9日間、町内の中学生19人に引率者6名を加えた25名を公費派遣していた。

町の教育委員会に確認したところ、永原町長が中学生らの前に顔を出したのは、セブ島での活動初日となる19日のみ。中学生たちに話をして記念撮影しただけで、その後は姿を見せていなかったことを認めている(*下の画像は町の公式YouTubeチャンネルより)。

たった数時間のために永原氏が一人でセブ島に行くとは思えない。普段から独り歩きをしないことで知られている永原氏は、島での数日間、誰と何をやっていたのかという疑問に突き当たる。周辺取材を進めてみると、その答えが見えてきた。
■同行していた実弟とユウセイの代表者
ハンターの調べによると、永原町長は、中学生らが派遣される数日前にセブ島に先着。実弟とその甥にあたる「ユウセイ」の代表者を同行していた。永原町長らの一行が、派遣団とは別の高級な宿泊施設を利用していたことも確認がとれている。実弟とユウセイの代表者は、中学生の教育事業には関わっておらず、派遣団との接触はなかったとみられる。
「ユウセイ」の代表者を巡っては、今年3月の大任町長選挙で永原派の運動員として現金買収に手を染めたことが発覚。6月に福岡県警が公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕し、当初は否認したが最終的に罪を認めて罰金50万円の処分を受けていた。ユウセイは選挙前の5ヵ月間に町から6件計1億1,338万円もの工事を受注、そのうち4件約9,000万円分の受注が告示前の約40日間に集中していた。同社に対する選挙前の過剰な公共工事の発注実態については、下の表を含め、これまで報じてきた通りだ(既報1・既報2)。
ユウセイは上掲の6件とは別に、代表者が買収事件の罰金刑に決まった後の今年8月にも、契約金額13,123,000円に上る道路整備工事を受注。町内の業者から、「度を越えた特別待遇。これほど短期間に数多くの工事を受注している業者はない」と憤りの声が上がる状況だった。
■明確な条例違反、問われる「贈収賄」の可能性
永原氏が海外旅行に出かけるのは自由だ。しかし、中学生のセブ島派遣という教育事業にかこつけ、親族とはいえ町の指名業者を連れてバカンスに興じていたというなら極めて不適切。政治倫理上の疑義が生じるのは言うまでもない。
だが最大の問題は、永原氏のセブ島行きが、「公費出張」ではなく「業者を伴う私的な旅行」だったという点にある。同町への開示請求で得た永原町長の出張記録によると、セブ島派遣が実施された昨年8月の永原町長の公的な出張は2回。8月6日に福岡市、8月25日に飯塚市に出向いている。

前述したように、中学生のセブ島派遣は8月18日から26日までの9日間。つまり、永原氏のセブ島行きは私費による旅行だったということになる。業者同伴である以上当然だが、堂々と公費出張できない理由があったからこその「私費」ではないのか。もちろん、「業者は同行したが私的な旅行だった」という言い訳など通用しない。業者を同行する旅行自体が、条例違反や、場合によっては違法性まで問われることになるからだ。
大任町の政治倫理条例は、次のように定めている。
《町長等及び議員は、町民の信頼に値する倫理性を自覚し、町民に対し自らすすんでその高潔性を明らかにしなければならない》(第2条)
《(町長等及び議員等は)町民全体の代表者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと》(第3条)
《(町長等及び議員等は)町民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品も受理しないこと》(同条)
利害関係のある業者と海外旅行に行くことは、明らかな条例違反。国の役人なら即アウトだ。「国家公務員倫理規程」には、禁止行為として『利害関係者と共に旅行(公務のための旅行を除く)をすること』と明記されているからだ。“割り勘”でも認められない厳しさである。地方自治体の首長や役人にも、同様の倫理基準が求められると解するべきだろう。
大任町の政治倫理条例も《町民に対し自らすすんでその高潔性を明らかにしなければならない》としており、町長に説明責任があるのは明らか。《職務に関して不正の疑惑を持たれ》た以上、議会の場で説明を行うか、会見を開いて釈明するのが筋だ。ただし、業者側が旅行代金や飲食費を負担していた場合、昨年秋から今年までの受注実態からみても「贈収賄」を疑わざるを得なくなることを付記しておきたい。いずれにせよ、教育事業にかこつけ、実弟と業者をセブ島に同行した時点で永原氏の町長としての資格は失われている。















