香春町内消防施設候補地、無理やり「不適」の裏に・・・|汚れた土着権力(7)

田川市・郡8市町村の消防行政を司る「福岡県田川地区消防組合」(管理者:永原譲二大任町長)が建設を進める「田川地区消防署 大任分署」。この計画に伴って「香春分遣所」が廃止されるため、救急車や消防車の到着が5分以上遅れるとみられる香春町や隣接する下田川地区(福智町、糸田町)に暮らす住民の生命・財産が危険にさらされることが確実だ(既報)。

では、なぜ香春町の町域の三分の一にも満たない大任町に消防施設を移すのか――?情報公開請求で入手した資料や現地取材などから見えてくるのは、不合理な理由で香春町内の候補地を「不適」とした消防組合――つまり組合管理者である永原譲二大任町長の黒い思惑である。

■第一候補「香春町総合運動公園第3駐車場」が消えた理由

今月12日の配信記事(⇒既報2)で詳述したように、香春町が消防組合に提示した消防施設候補地は5カ所。町が第一候補地として推したのは「香春町運動公園浦松第3駐車場」だった。

香春分遣所、第3駐車場、国道322号線香春大任バイパスとの位置関係は下の図のようになる。

分遣所から第3駐車場まではせいぜい1~2分。たいして離れていないことが分かる。国道322号線香春大任バイパスまでは1分とかからない。面積も広く、香春町内に整備する消防施設の用地としては最適と言える。しかし、消防組合側は「消防庁舎の拠点となる条件が満たされない」として土地提供の要請を引っ込める。香春町への情報公開請求で入手した「候補地比較表」(*下の画像。赤い囲みはハンター編集部)にはこう記されている。

《国道322号線に面していないため、近隣住民への災害意識の関心を集めにくい。また、田川市方面の道路が狭隘であり、出動に支障が出る場所が存在する。更に、南側が浸水地域となっており、迂回により現場到着が遅れる場合もあるため、消防庁舎として不適》

結論から述べるが、この排除理由は明らかにおかしい。《国道322号線(バイパス)に面していない》というが、第3駐車場から322号線バイパスまではたったの1分。町民や下田川地区住民の生命・財産を守り抜くという視点に立てば、現在の香春分遣所から5分以上離れた大任町の分署予定地を選ぶよりよほどましだ。

次に、《南側が浸水地域》との指摘についてだが、これも『言いがかり』としか言いようがない。香春町のハザードマップ(⇒こちら)を確認してみれば分かる。(*下の図はハザードマップの一部を加工)

確かに、第3駐車場の南側に浸水地域がある。だが、駐車場は浸水地域から離れており、消防施設が直接的な被害を受けることはない。第3駐車場の南側にあたる浸水地域の想定水位(*マップでは0.5m以下)と道路の位置関係からしても、《迂回》する必要が生じるとは思えない。つまり、ダメな理由をこじつけたということだ。

そもそも、永原譲二組合管理者や鶴我繁和香春町長に、新たな消防施設を香春町内に整備するという意思などなかったのではないか。一連の用地選定過程を見る限り、「何としても香春町に」という強い意志を持っていたとは到底思えないからだ。町内の候補地にしても、本当に5カ所しかなかったのか、それぞれの候補地が「不適」とされた理由は、合理的と言えるものだったのか――。疑問は膨らむばかりだ。

この歪んだ消防施設整備計画を実現させようとしている永原氏は、大任町内に消防施設をつくったという実績を町民にアピールするだろう。権力維持に狂奔してきた同氏得意の手法だ。しかし、最大の狙いは「利権の創出」。そう断言できるだけの根拠を、年明けの配信記事で詳述する。

(中願寺純則)

 

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