佐々木允福岡県議会副議長(当選3回。田川市選挙区)の資金管理団体「佐々木まこと連合後援会」が福岡県選挙管理委員会に提出した政治資金収支報告書に、政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載)の疑いがあることが分かった。
■後援会主催ゴルフコンぺの収支、報告せず
下は、ハンターが独自に入手した文書で、今年9月4日に開かれた“第6回『まこと杯』チャリティーゴルフコンぺ”への参加を呼びかける内容だ。主催は「佐々木まこと連合後援会」となっている。
別に入手した「参加者一覧表」(*下の画像)によれば、このゴルフコンぺには、佐々木氏ら県議会関係者3名を含む44組、162名が参加していた。
昨年2022年に開かれた“第5回『まこと杯』チャリティーゴルフコンぺ”の案内文書も入手したが、実行委員長と冒頭の挨拶文が違うだけで、会場や参加費は同じだった。主催は「佐々木まこと連合後援会」である。(*下の画像は佐々木氏のブログ『佐々木まことの日進月歩』より)
つまり、昨年と今年の“『まこと杯』チャリティーゴルフコンぺ”は政治活動の一環。この事業に関する収入と支出は政治活動にかかるものとして報告しなければならない。ところが、佐々木まこと連合後援会が福岡県選挙管理委員会に提出した2022年分政治資金収支報告書を確認したところ、昨年のチャリティーゴルフコンぺに関する記載は一切なく、「不記載」の状態だった。意図的な収支隠しなら「虚偽記載」となる。
念のため、佐々木氏自身がフェイスブックに投稿した画像(*下、参照)から開催が明らかになっている2019年の“第4回『まこと杯』チャリティーゴルフコンぺ”についても調べてみたが、後援会が選管に提出した同年分の政治資金収支報告書にも記載はなかった。
佐々木まこと連合後援会が主催したゴルフコンペは2016年から毎年秋に開かれており、2020年、21年はコロナ禍で見送られたものの昨年再開され、これまでに計6回実施されている。政治団体主催の事業であるため参加費などは「収入」となり、チャリティー収益として寄附した金額やゴルフ終了後の打ち上げ会合にかかった食費などの費用も「支出」として計上しなければならない。賞品を配った場合、その物品を購入すれば「支出」、寄附されたものであれば「収入」として計上すべきだが、述べてきたように、各年の収支報告書にはいずれの記載もない。
ちなみに、2018年と19年のチャリティー収益は平成筑豊鉄道株式会社に、昨年の収益はウクライナ支援に回されたことが、佐々木氏のフェイスブック投稿やブログの記述から分かっている。
チャリティーの趣旨は立派だが、政治活動上の事業に関する収支は、すべてを政治資金収支報告書に記載するのがルール。政治資金規正法上の虚偽記載や不記載は時効5年であるため、2019年と昨年のコンペ開催収支不記載が問題となるのは確実で、違法性が認定された場合は5年以下の禁錮又は100万円以下の罰金となる。
ところで、このゴルフコンペを巡っては、「不記載・虚偽記載」以上の重大な違法行為が行われた疑いが生じており、次の配信記事で詳しく報じる予定だ。