資金管理団体が主催したゴルフコンペの事業収支を政治資金収支報告書に記載せず、政治資金規正法上の「不記載・虚偽記載」が疑われている佐々木允福岡県議会副議長が(当選3回。田川市選出)、問題のゴルフコンペの賞品として高級家電などを大量に供与していたことが分かった。
公職選挙法は、政治家本人や政治家の後援団体による選挙区内での寄附を買収行為として禁じており、佐々木氏側による大量の物品供与は、同法に違反する可能性がある。
■テレビやオーブンレンジなどを大盤振る舞い
論より証拠という。下は、2019年に佐々木副議長の資金管理団体「佐々木まこと連合後援会」が開催した“第4回『まこと杯』チャリティーゴルフコンぺ 表彰式”の一コマ。挨拶しているのが佐々木県議だ。佐々木氏の後ろに、積み上げられた「賞品」の数々が映っているのが分かる。この画像からは、少なくとも40位まで表彰されたことが確認できる。
(*以下、画像はすべて佐々木氏のフェイスブック投稿とブログ「佐々木まことの日進月歩」から)
優勝者に贈られたのは三菱電機製のテレビで、ネット上で調べたところ、直近でも32,000円から40,000円という値段がつく商品。準優勝の賞品であるパナソニック製のオーブンレンジは既に販売を終了しているが、2019年当時は20,000円前後で売られていた。38位の賞品だった空気清浄機でさえも、19年当時は20,000円前後していたという。驚いたことに、この時の様子を伝える別の画像(下、参照)には『75位』の人に贈られる賞品まで映り込んでいた。
2020年と21年のゴルフコンペは新型コロナの影響で開催されていないが、実施された昨年と今年のコンペでも19年同様に家電品等の賞品が大量に配られていた。昨年開かれた“第5回『まこと杯』チャリティーゴルフコンぺ”の画像(*下、参照)からも明らかだ。
5日の配信記事で報じた通り、昨年と今年の“『まこと杯』チャリティーゴルフコンぺ”の参加費は3,500円。2019年当時の参加費も、同額だったという証言がある。参加費にはチャリティー充当分の他、表彰式の飲食代と参加者全員に配られる高品質の「卵」の購入費などが含まれていたとみられている。参加費収入をはるかに超える大盤振る舞いだったことになる。
家電品などの「賞品」が購入されたものであるにせよ、寄附されたものであるにせよ、配ったのは事実。ゴルフコンペ参加者の多くが佐々木氏の選挙区である田川市内の住民であることが確認されており、参加費3,500円をはるかに超える金額の物品を有権者に供与した行為が、法に抵触する可能性がある。
公職選挙法は、「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない」と定めており、選挙区内での違法な寄附行為が認定された場合は3年以下の懲役もしくは禁錮又は50万円以下の罰金となる。