鹿児島県警が、幹部による不当な捜査指揮や情報漏洩に揺れる中、捜査資料=「告訴・告発事件処理簿一覧表」の流出ルートが複数であることが明らかとなった。直近で『現代ビジネス』が報じた一覧表の記載(⇒)の一部は、ハンターが2度にわたって入手したそれぞれの処理簿に含まれておらず、少なくとも3つの流出ルートが存在するものとみられる。
■ ■ ■
ハンターが初めに入手した一覧表は、鹿児島県医師会の男性職員(2022年10月に退職)が強制性交の疑いで送検された2023年6月以降に作成されたもの。次が送検以前に作成されたもので、全県下の所轄署に持ち込まれた告訴・告発事案についての処理簿だった。しかし、現代ビジネスが配信した記事にある県内首長の公職選挙法違反被疑事件や県テニス協会の事案は含まれておらず、別ルートで違う処理簿が流出した可能性が高い。
一覧表は、1枚に2件の事件の処理経過が詳しく記載されており、ハンターが入手したものを精査した結果、流出した情報は、延べ350を超える個人及び法人名であることが分かった。記載された民間関係者の生年月日、告訴もしくは告発事案の概要、捜査状況なども記載されており、絶対に漏れてはならない情報ばかりであることは言うまでもない。
鹿児島県警は、大量の捜査資料が流出するという前代未聞の事態でありながら、調査に協力するため入手した全ての一覧表を持って本部まで出向いたハンターの記者の申し出を拒否。会見を開いて県民に謝罪することを回避するため、「犯人探し」に血道を上げていた。
では、何故こうした情報漏洩が起きたのか?
理由は、はっきりしている。元鹿児島中央署の署長である井上昌一県警刑事部長による不当な捜査指揮で、鹿児島県医師会の元職員による強制性交事件の実相がねじ曲げられ、不起訴という間違った結論を招いた。それを是としない関係者がいたということだ。強制性交事件の処理状況が記載された告訴・告発事件処理簿一覧表が『送検前』と『送検後』の2種類あることは(下の画像参照)、捜査資料の「改ざん」を示唆している。(*既報)
鹿児島県警は18日、これまで認めていた4件の事案の他に、新たに流出した告訴・告発事件処理簿一覧表があることを、ようやく発表した。50人態勢で調査するというが、まず明らかにしなければならないのは、強制性交事件の捜査が適正だったか否かという「問題の原点」だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・