長崎3区補選で迷走する自民党

広瀬めぐみ参議院議員の不倫騒動に自民党近畿ブロックによる過激ダンスショー、さらに世耕弘成前参院幹事長に浮上したクッキー缶疑惑――。裏金事件で岸田文雄政権や自民党の支持率が急落しているところに、追い打ちをかけるかのようなスキャンダルの頻発だ。

「低い支持率が、ますます下がる一方。それでも10%台後半から20%ほどはキープしているから、まだいいんじゃないか。ただ、補欠選挙が目前でスキャンダルラッシュは厳しい」と話すのは麻生派の国会議員。4月28日に投開票される島根1区、長崎3区、東京15区の3つの補欠選挙が。政権の命運を握ることになりそうだ。

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「3連敗なら、岸田首相は即退陣だ」といった厳しい見方がある中、東京15区は東京都の小池百合子知事が特別顧問を務める都民ファースト系の候補者を推すことが決定的という自民党。裏金4,300万円が発覚し議員辞職した谷川弥一氏の長崎3区は「不戦敗」になるとみられていたが、いまも方針は定まっていない。

自民党長崎県連の幹部が、疲れた表情でこう話す。
「不戦敗だ、いや擁立だ、と二転三転してきた。2月末に党本部と協議した時ははっきりした答えがなく、“不戦敗やむなし”となっていたのに、急転直下、候補者をと言ってくる。どうなっているのか……」

その長崎3区で、一時有力候補として浮上していたのが長崎県議のごうまなみ氏だったという。ごう氏の名前を聞いて、ピンとくる方も多いだろう。昨年7月、自民党女性局が研修名目でフランスへ渡航した際、局長だった松川るい参院議員がエッフェル塔の前でポーズを決めた写真をX(旧ツイッター)に投稿して大炎上。松川氏は女性局長辞任に追い込まれた。その研修に参加していたのが、ごう氏だった。

ハンターは松川氏が現地のアテンドのため外務省などの提出した日程を入手していたが、研修とおぼしき日程は5時間程度。どう見ても「観光」としか思えない内容だった。

ところがごう氏は、Xに《同行した地方議員です。エコノミーで14時間。地方の視察よりは過酷でほぼ自由時間もなく、エッフェル塔では10分程度の時間で写真撮影だけいたしました》と投稿し、自分たちの愚行を正当化していた。日程のどこが過酷なのか、まったく理解できないが、旅費は地方議員の自己負担が20万円、国会議員は30万円、残りは自民党本部から支出されていた。政党助成金や自民党員が納めた党費も含まれる可能性がある。

ごう氏は世間の批判が不満なのか、日本航空のエコノミークラスに搭乗している写真をわざわざ添付。その後、なぜか投稿自体を削除していた。前出の自民党県連幹部が、あきれ顔で語る。
「フランス研修が炎上する中、ごうの余計なポストが火に油を注いだ。まずいことに、フランス研修のあった昨年7月24日は長崎県議会でごうが所属する観光生活建設委員会の常任委員会が開催されていた時期。それをほったらかしてのフランス旅行ですから、非難の声は当然。そんな人がなぜ補選の候補にあがったのか、まったく理解できません」

ごう氏のプロフィールを確認すると、長崎県議4期とあるが地盤は長崎市。補選の長崎3区は県北の佐世保市を中心とする選挙区で、長崎市はまったく関係がない。そもそも、2021年の衆議院選挙で自民党は長崎1区の候補者を公募したが、その折に手を挙げたごう氏は選ばれなかった。

次の解散総選挙、長崎県は現在の4選挙区から3選挙区へと1減となるのだが、ごう氏は2023年に実施された新しい長崎1区の公募にも応じており、そこでも選ばれたのは別の長崎県議だった。2回の公募ではじかれた、ということだ。

「国会議員のバッジをつけるためには、なりふり構わず何でもやるという、ごうの姿勢は噴飯ものだ。2回も公募でダメだったということは知れ渡っており、地元での評判も悪い、信頼がないという裏返し。それに、次の解散総選挙では長崎3区は長崎4区が一つになるので、万が一、自民党が今回の補選でごうを担ぐと、またもめることが確実になる。絶対だめだ」(前出・長崎県連幹部)

長崎4区は、昨年10月の補選で金子容三氏が当選し、議席を得ている。もしごう氏が補選に出馬し、さらにその次もと名乗りをあげると混迷必至の状況となる。

ちなみに、不倫騒動の広瀬めぐみ氏と松川氏、お騒がせの今井絵理子参議院議員、そしてごう氏と、いずれもフランス研修組。「フランス研修組はまさにトラブルメーカーの集まりだ」と自民党の大臣経験者が嘆いている。

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