新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、公共温浴移設で市外からの客を迎え入れながら市民の利用を制限していた鹿児島県指宿市が、ハンターの報道を受け施設の臨時休館を決めたことが分かった。
この問題は、指宿市が所有し指定管理者に運営を委託している温浴施設「山川ヘルシーランド」(指宿市山川福元)と「レジャーセンターかいもん」(指宿市開聞川尻)で、「感染拡大防止のため、指宿市民の方は、当面の間、施設の利用をお控えください」と書かれた告知分が掲示されたことに、施設を訪れた複数の市民が反応。「市民はダメ、市外からの客はOKというのでは感染防止にはならない。間違った方針ではないのか」(指宿市在住の60代男性)などと市の方針に対する疑問の声が寄せられたため、20日に取材結果をまとめ記事を配信していた。
指宿市民の税金が投入されている公的施設で、「市外客OK、市民はNO」に納得する市民はいない。市外からの客を入れてしまえば、感染防止も不十分になるだけではなく、市外からコロナウイルスが持ち込まれ、施設の従業員から市民へと感染が広がる可能性もある。どう見ても、不適切な感染対策だったが、ハンターの取材を受けた指宿市の担当課自体が、なぜそうしたのか答えられないという混乱ぶりだった。市は20日夕、防災無線とホームページを通じて両施設の臨時休館を公表している。
ちなみに、指宿市は18日から市民会館や福祉センターなど公共施設40カ所以上の休館や休場を公表しており、温浴施設だけを例外にしていた形。批判されてヘルシーランドとレジャーセンターかいもんの休館は決めたが、別の公共施設「砂むし会館」の営業は続行というちぐはぐな対応をみせている。