少数与党にあえぐ高市自民党はこれまで、衆議院会派「自民党無所属の会」が196議席、連立を組む日本維新の会が34議席で、合わせても230議席と過半数の233には届かない状況だった。ところが、最近まで「26年間続いた公明党の連立離脱ショックが響いている」とぼやいてたある自民党幹部が、「これで少数与党は解消」と自信満々に語る。10月21日の首班指名で、「高市早苗」に1票を投じた日本維新の会離党組の3名が、無所属議員として自民党会派入りしたからだ。3人は、自民党と接近した維新を批判して離党したメンバー。節操のない数合わせに冷たい視線が注がれる。
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自民党会派入りしたのは、維新離党後に会派「改革の会」として活動してきた斉木武志衆議院議員(北信越比例ブロック:当3回)、守島正衆議院議員(大阪2区:当2回)、阿部弘樹衆議院議員(九州比例ブロック:当2回)の3人。舞台回しを務めたのは、自民党の古屋圭司選対委員長だとされる。前出の自民党幹部がこう解説する。
「3人の議員とこっそり会食を重ねて条件を提示。自民党会派入りを打診していた。他の新党構想もある中で、臨時国会で補正予算が審議される前にまとめあげたいと猛スピードで調整を重ねていた。後ろに控えていたのは麻生太郎副総裁。首班指名の際、麻生副総裁は『高市を助けてくれ』と3人にじきじきに依頼していた。その影響力もあったはず」
問題の3名は、9月に維新に反旗を翻して離党したばかり。今度、自民党と連立を組んだ維新と再び一緒になるという構図だ。九州比例ブロック選出の阿部氏は、直近2回の衆議院選挙で出馬した福岡4区では毎回3位という体たらく。他に維新の有力候補がいなかったため、少ない得票でも比例で救われてきたという経緯がある。阿部氏の長男、阿部秀樹氏は維新所属の福岡市議会議員だったが、こちらも10月に他の地方議員を引き連れ離党していた。地元福岡の支持者は呆れ顔だ。
阿部氏の地元では「維新ではどうにもならんと分かって離党した。それが今度は自民党にくっつき維新と接近した形。なんの信念もない。息子の秀樹を自民党に入れて県議か国政に出馬させたいので、おやじの弘樹がおぜん立てしているとも噂もある。こんなふらふらしたことではいかん。次の衆議院選挙はもう阿部を応援しない」
斉木氏の地元からも、「斉木は県議時代から参政党と親しく、『維新とはやってられない、参政党と組む』などと言っていた。それが今度は自民党。裏金まみれの自民党とやってどうするのか」と不満の声があがる。
衆院大阪2区は、2回続けて維新公認だった守島氏が勝利してきた選挙区。厳しい戦いを繰り広げてきた同区の自民党関係者は、露骨に拒否反応を示す。
「うち(自民党)とガチでやって維新が勝つという選挙が続いてきたのが大阪。これまで敵だった守島は、自民党公認を狙っているんだろうが、とても一緒にはやれん」
自民党と維新の間には、微妙なすきま風が吹いているともいわれており、自民党周辺からは「維新が離脱したら、国民民主党と連立組み換えればいい。無所属3名が加わった段階で過半数に達しており、維新は用済み」といった声さえ上がる。問題ばかり起こす維新より、考え方の近い国民民主の方がましだという考え方だ。
政策や主張に関係なく“一本釣り”でなりふり構わず過半数確保に走る高市自民党。必要がなくなれば切り捨てるのも早いとみられており、ある維新の支援者はこう話している。
「次に維新絡みで大きなスキャンダルが出たら、自民党から三下り半を突き付けられるかもしれない。自民党がうちを守るとは思えない」















