東京維新も国保逃れ|「身を切る改革」の裏で脱法行為

前稿()で報じた日本維新の会所属議員による「国保逃れ」疑惑がさらに拡大している。

問題視されているのは、一般社団法人「栄響連盟」の理事に就任するもほとんど仕事をせず、健康保険料と年金納付額を意図的に圧縮するという“脱法的”な行為。同党代表の吉村洋文大阪府知事は、この件に関して「調査を指示した」と逃げを打ったが、新たに東京維新の関係者が、別の形で「国保逃れ」を企てていたことが分かった。

■脱法組織「栄響連盟」と斎藤兵庫県知事との関係

維新の会公認で兵庫県議選に出馬した経験を持つK氏が代表を務める「栄響連盟」の理事になっていたのは、長崎寛親、赤石理生両兵庫県議と南野裕子神戸市議、長崎久美尼崎市議の4人。いずれも、維新の内部調査に対し事実関係を認めており、理事を辞任する手続き中だという。だが、問題はこれだけにとどまらない。なんと、兵庫県の斎藤知事が栄響連盟の代表理事と意見交換していたのだ。

K氏とともに栄響連盟の代表理事を務めている人物=Z氏が経営している会社(本社・神戸市)のホームページには、Z氏が栄響連盟の勉強会に登壇したことや、斎藤知事との写真付きで《兵庫県知事と意見交換》という見出しを付けた記述があった。

《兵庫県議会では「若者への予算」として91億円の予算が決定し採択となりました。兵庫県の予算の使い道の認知拡大の為、Z(*実際は実名)に声が掛かり、官民連携した意見交換の場に有識者として出席致しました》

内部告発問題などで、今も炎上が続く斎藤知事。「国保逃れ」という“脱法的”手法を手掛けるZ氏とどんな意見を交換したのか気になるところだ。

Z氏は自身のプロフィールで「元国会議員公設秘書」と公表しているが、ある維新の地方議員は声を潜めてこう話す。

「彼(Z氏)は、ある参議院議員の秘書をやっていた時代がある。今回の疑惑は、兵庫維新の会という組織ぐるみの脱法行為とみられても仕方ない。私自身、KやZからそういう誘いを受けたことがある」

■東京維新も「国保逃れ」

疑惑をさらに深めることになったのが、東京維新の会の関係者による脱法行為の発覚だ。国会で「国保逃れ」を追及している足立康史参議院議員はXに《維新議員団による「国保逃れ」の悪業は、兵庫維新の会に限った話ではなかったのです。東京維新の会においても、国民全体の社会保険料負担を下げる改革ではなく、党所属議員の間で秘密裏に「裏技」を共有し、さらには手数料を伴うビジネスまで展開していました》と投稿し、東京版の脱法マニュアルを公開した。

《国保料負担に苦しんでいる議員の皆様の国保料負担を下げる改革(サービスのご提案)》というタイトルの5枚の資料。作成者は「合同会社松本考業」とあり、調べると、維新所属の松本光博元杉並区議が設立し、現在は妻と思われる人物がトップになっている会社だった。以下に提案内容を示す。

《①合同会社を設立し代表社員に就任する ②合同会社から代表社員に役員報酬の支払いを行う ③設立法人を厚生年金保険・健康保険適用事業所にする手続きを行うの3ステップを、議員のご依頼を受け当社と役割分担のもの進めていきます。役員報酬を5.5万円以下に設定することで、保険料は事業主負担分と役員側負担分合計で23,090円(令和77月時点)に下がります》

《(ご提案のメリット)国民健康保険料を109,000円の場合、社会保険料23,090円に下がることで、当社への支払いは三ヶ月で回収し、以降毎月85,910円のプラスが生じます》

本来、議員は国民健康保険及び国民年金の加入の対象となる。しかし、社会保険料を軽減するため、実態のないような会社を設立し、報酬を得ているように擬装。結果的に社会保険料を少なくするというスキームだ。足立氏は、松本氏ら東京維新の会のメンバーが名を連ねるグループラインも公開している。

《国保料を引き下げる提案 議員専業の方向けの提案》《議員を続けながら社保に加入し、支払いを2万4千円程度に下げることが可能》――維新が、組織ぐるみで議員をターゲットにしてPRしていることがよくわかる。

それに対して、元東京都知事の猪瀬直樹参議院議員は《マツミツさんの提案は一考に値します》と返信。後日、維新のメンバーの一人が「まずい」と気付いたようで《脱法的要素を含む可能性ある内容とは認識していませんでした》と返信していた。

東京維新の会所属議員の一人はこう嘆く。

「投稿されたのは7月で参議院選挙が終わった直後でした。興味ある議員は松本さんから資料をもらっていましたよ。維新は身を切る改革や社会保険料を下げるという政策が大きな柱です。それが、議員が払う国民健康保険が高いから適当な会社を設立して社会保険料を安くするなんてデタラメもいいところ。身を切る改革どころか、国民にツケをまわすたくらみですよ。私も維新にいて、口先だけで実態が伴わない現状を経験してきました。兵庫の件といい、東京のことといい、維新のデタラメさを満天下にさらしているようなものです」

維新の代表である吉村洋文大阪府知事は「幹事長に事実関係を調査するように求めている」として所属議員全員の調査をする方針を示したが、すでに「クロが確定した議員がいることについての謝罪はない。身を切る前に「身を正す」ことすらできない維新。こんな連中に政権を担う資格はない。

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