自民党と日本維新の会の疑惑隠しを狙った衆議院選挙も中盤戦。メディアによる公示日から2日目にかけての情勢調査も出揃った。読売新聞は《自民党、単独過半数(233)をうかがう》。毎日新聞は《自民党単独過半数うかがう 中道は浸透せず》と自民党が高市早苗首相の人気に乗って勢力を伸ばす一方、急ごしらえの新党「中道改革連合」が伸び悩む見通しであることを報じた。このまま終盤に向けて同様の動きとなるのか?
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1月29日、兵庫県姫路市で街頭演説した高市早苗首相が「責任ある積極財政を進めていきます。日本を成長させます」と訴えると、大きな歓声が沸き上がった。
演説が終わると、聴衆は自民党のビラを受け取ろうと殺到。すさまじい人気ぶりがうかがえる。
一昨年の衆議院選挙では、惨敗した自民党。中でも「大物」とされる裏金議員の落選が相次いだ。しかし、裏金議員が落選していた小選挙区を見ると、今回はかなり盛り返しそうだ。
【東京7区】
・丸川珠代(自民)・・・37%
・松尾明弘(中道)・・・21%【東京11区】
・下村博文(自民)・・・27%
・阿久津幸彦(中道)・・・27%
ある 自民党幹部は「今のメディアの世論調査の数字を信じれば、自民党だけで260~270議席がとれることになる。確かに、高市総理が街頭に立つと、すさまじい人気ぶりがわかる。総理の演説会場では、あまりに人が集まり過ぎて危ないと思うほど。この勢いのまま最後まで走り抜けたい」と話す。
各メディアの世論調査発表後、自民党は鈴木俊一幹事長、古屋圭司選対委員長の連名で《急告 本日、マスコミ各社が衆院選序盤情勢を報じました。「自維、過半数の勢い(共同)」「自民、単独過半数をうかがう(読売)」等となっていますが、選挙は一昨日に公示されたばかりです。(中略)選挙戦はこれからが本番です。(中略)各位におかれては、こうした報道に一喜一憂することなく、いまから「毎日が投票日」を合言葉とし、全力を挙げてお取り組みいただきますようお願い申し上げます》とする文書を発出、引き締めを図った。

一方、自民党と対峙する新党「中道改革連合」はどうなのか。寒空の中、「自民党、維新の連立与党に勝ちましょう」と声を張り上げたのは、近畿地方の中道候補者、A氏。
演説後に話を聞くと「寒い中、午後3時の街頭演説で、25人から30人ほど来ていただいた。半分以上が公明党の支持者。これまでなら10人にも満たなかったはず。とても感謝しています。ただ、票につながらないと勝てません。今のままだと、高市さんと比較して、トップのパワーがあまりになさすぎる。要するに、自民党とここまで差がついているのは、トップの知名度、人気、訴える力の違いだと思います。高市さんと比較して、あまりに中道は発信力がなさすぎる。このままだと高市人気に圧倒され、埋没だ」と顔を曇らせた。党首力の違いを感じ取っているのだ。
ただ、演説場所に来ていた有権者は「私は(創価)学会員で、公明党を応援してきました。以前から自民党の強権的な政治をなぜ私たちが応援しなければならないのか、と疑問があったのは確かです。上からの連絡で自民党を応援していただけ。新党になってよかったという仲間はけっこういます。立憲民主党の穏健な政治とは波長が合うという感覚ですね。私の周辺では半分以上の仲間が新党支援です」と話す。
確かに、中道の野田佳彦氏、斉藤鉄夫氏の共同代表は地味。高市首相の党首としてのパワーに圧倒され、太刀打ちができない状況が世論調査の数字に出ているという見立ては間違っていない。自民党のある閣僚経験者は、苦笑交じりにこう説明する。
「高市さんが解散に踏み切ったのは、いまのところ大成功のようだ。新党は『中道』という立ち位置を示しているだけで、政策勝負になっていない。野田、斉藤2人の党首に発信力がなく、それも自民党にとっての追い風になっている。どの候補も『高市首相とともに』と連呼ばかりしているが、それが票につながっていく可能性が高い」
中道の幹部は「立憲民主党と公明党の新党効果はこれからだ」と期待するが、このままだと自民党に単独過半数を許しかねない情勢だ。公明・創価学会が終盤に向けてどこまで踏ん張れるかが勝負を分ける鍵になりそうだ。















