自民党鹿児島県連が、今年7月の鹿児島県知事選挙で推薦する候補を、現職の三反園訓氏(61)とする方向で調整していることが分かった。きょう開かれる県連の会議で正式決定するものとみられる。
知事選の推薦を巡っては、三反園氏の他、鹿児島大特任助教の有川博幸氏(61)、前九州経済産業局長の塩田康一氏(54)、前職の伊藤祐一郎氏(72)が立候補を表明して自民党県連に推薦願を提出。県連会長の森山裕国会対策委員長は、同党県議団に協議するよう指示し、事実上の判断を委ねる姿勢を示していた。
県議団は昨年秋から度々団総会を開き協議を重ねていたが、2月28日、三反園氏を推す外薗勝蔵県議会議長らがヤクザまがいの恫喝で慎重派を黙らせ、強引に現職推薦を決めていた。
→【録音データ公開】恫喝と屁理屈の迷演説―問われる県会議長の資質を参照
ところが県選出の国会議員で三反園支持は皆無。公然と森博幸鹿児島市長を擁立する動きがあったことから、森氏の意向を確認後、推薦候補を決定する段取りになっていた。
県連関係者によると、森氏は今月に入って県連側に不出馬を表明。これを受けた森山県連会長が、現職推薦の環境が整ったと判断した模様だ。
2016年の前回知事選で、共産党を含む野党の支援で初当選した“エセ脱原発派”が、今度は自民党の推薦で再選を狙うという、異例の選挙構図となる。
県内の見方は冷ややかだ。鹿児島市内のある会社経営者は、こう話す。「知事も変節なら自民党も変節。どうせ利権狙いでくっついたんだろう。反原発派や野党、そして県民をそそのかして改革派をきどっていた三反園さんが、すべての支持者を裏切り、権力者のエゴを丸出しに自民党にすり寄った。外薗とかいう政治とカネで問題ばかり起こす県会議長が、職責もかえりみず知事の推薦に血道をあげるというのだから、開いた口が塞がらない。県民不在だ。この際、三反園以外の候補者たちは、一本化して反三反園、反自民連合を作るべきだろう」