東日本大震災という、まさに国難ともいえる未曾有の惨事に国が揺れるなか、民主党は統一地方選の情報分析のため、「選対会議」を開くという。この政党にはやはり国を任せることはできない。
15日、東北を中心に絶望的な震災被害の状況が判明していくなか、放射能漏れという深刻な事態を招来した東京電力・福島原子力発電所が新たな局面を迎えた。原子炉建屋が爆発した1号機、3号機、格納容器が損傷した2号機に続き、4号機に火災が発生。政府は同原発から20キロ以上、30キロ以内の地域の住民に屋内退避を呼びかけた。東京でも、微量の放射能が観測されている。
福島から300キロ近く離れた都心での放射能確認の意味は重い。さらに、被災地での懸命な救出作業は、地震発生から5日たった現在も続いている。
こうした状況下、民主党は16日午後から、統一地方選挙の情勢分析のため、党本部に九州ブロックの国会議員を集め「選対会議」を開く。選対委員長である石井一参院議員の事務所及び民主党の選対に確認したが、「予定通り」だという。民主党選対の職員は「何でですか?」と聞いてきたが、この時期に選挙対策の会議を開くことの愚かしさが分かっていないらしい。
今必要なのは「震災対策」であって、選挙対策などでは断じてない。
九州地方のある統一地方選立候補予定者は、次のように話す。「震災で苦しむ被災地の方々がいるというのに、『よろしくお願いします』などと言えるはずがない。選挙カーを走らせて騒ぐ状況でもない。被災地における統一選の延期が議論されているが、全国的に選挙を延期すべきだ」。
民主党の危機管理能力が試されている。