宮路拓馬総務大臣政務官側に鶏卵マネー50万円

鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)グループの秋田善祺元代表(86)が、吉川貴盛元農相(70)=北海道2区=に対し500万円にのぼる現金を提供していた問題が政界を揺るがす中、菅義偉内閣で総務政務官に就任した自民党の宮路拓馬衆議院議員(41)=九州比例側に、秋田元会長個人から50万円の現金が渡っていたことが分かった。鶏卵マネーの影響力が、当選2回の若手議員にまで及んでいた形だ。

アキタフーズ元会長が宮路氏支援団体に個人献金

鹿児島県出身の宮路議員は、地元の鶴丸高校から東大法学部に進み、卒業して総務省に入省。2014年に行われた総選挙の際、父親で衆院議員だった和明氏の後継として鹿児島3区から自民党公認で立候補し、小選挙区で敗れたものの比例九州ブロックで復活当選していた。17年の総選挙では、定数是正に伴う選挙区調整のため小選挙区からの出馬を断念し、比例単独で2期目の当選。菅政権の発足に伴い総務大臣政務官に就任していた。

宮路議員の関連政治団体は、「自由民主党鹿児島県衆議院比例区第一支部」(総務省届出)、資金管理団体「拓翔会」(同)、「宮路拓馬後援会」(鹿児島県選管届出)、「新政策研究会」(東京都選管届出)の4つ。このうち、昨年設立されたばかりの支援団体「新政策研究会」が東京都選管に提出した政治資金収支報告書に、同会がこの年12月4日に、アキタフーズの元会長秋田善祺氏から50万円の個人献金を受けたとする記載があった(下の報告書参照)。

新政策研究会の代表は宮路氏の父で元衆院議員の和明氏。届出上の主たる事務所は千代田区飯田橋に置かれているが、確認したところ会計責任者は宮路代議士の政策秘書で、事務担当者も公設第二秘書だった。連絡先の電話番号は衆議院議員会館にある宮路代議士の部屋の番号が記載されており、同会は事実上宮路代議士のカネ集め装置となっている。引退した和明氏は、元農水官僚である。

■会計責任者は返金否定

問題の鶏卵マネーを返金するつもりはないのか――?8日、ハンターの電話取材に答えた新政策研究会の会計責任者を務める宮路氏の政策秘書は、秋田善祺氏からの献金を認めた上で、「政治資金については法令に従って処理している。返金の予定はない」と話している。

東京地検特捜部が立件を狙っているのは吉川元農相だけとされるが、鶏卵マネーを受けとっていた政治家は他にも――。ハンターの調べでは、2019年9月から今年9月まで農林水産大臣を務めていた自民党の江藤拓衆院議員(60)=宮崎2区=の資金管理団体「飛雄会」が、14年に秋田善祺元代表から100万円の寄附を受けていた(下の官報の記載参照)。

鶏卵マネー汚職の捜査がどこまで発展するのか、永田町は息をのんで特捜部の動きを見守っている。

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