知事側近も懸念する兵庫県「新年交礼会」

12月の定例会見で、来年夏の知事選には出馬せず今期限りで退任することをを表明した兵庫県の井戸敏三知事。5期20年の任期中、東京都の石原慎太郎元知事や大阪府の橋下徹元知事の発言に異を唱え、バトルを展開したこともある名物知事だ。

今年10月には、公用車を高級車「センチュリー」に変更したことを問われて「報道では、単に知事公用車の車種や価格の比較ばっかりが強調され、正確な報道がなされていない実情にある。そのような一面的、一方的な議論が横行しているのではないか。ご指摘のように井戸がわがままを言って、センチュリーに乗ってるというような捉え方で報道されているとすれば、まさに遺憾であるし、兵庫県の知事として残念。都道府県のイメージは、このような一面的な言葉だけで評価されるものではないとは思っているが、やはりとんがったところだけ捉えて評価されがちでもある」と反論し、物議を醸していた。

最近では、菅義偉首相が二階俊博幹事長ら8人と会食したことが強くバッシングされ支持率が落ち込んでいる現状についても、「マスコミの報道ぶりには不正確さがある。『5人以上がだめ』と言っているのではなく、『4人以下単位で食事をしましょう』ということだ」(12月20日 神戸新聞NEXTより)と話したことが報道されている。

政権擁護のつもりらしいが、説得力はない。兵庫県の新型コロナウイルス感染者数は、この1か月で毎日のように100人を超え、陽性者数の合計は8,248人(12月21日現在)。全国で8番目の数となっているからだ。

県庁関係者の間からは「退任も発表したので気が大きくなっているのか、舌鋒鋭い知事の言動には冷や冷やさせられる」という声も聞こえてくる。

■「知事、本気か!?」

そうした中、側近からも「知事、本気か!?」と心配されているのが、兵庫県が毎年、新年に開催している「新年交礼会」である。

筆者が入手した『令和3年兵庫県関係者新年交礼会の開催について』という兵庫県の案内によれば、来年1月4日午前11時から兵庫県公館の大会議室で開催されるという。参加者は県庁関係者に加えて、兵庫県内の地方議員、各種の団体や組合などで、参加人数は270人程度とされている(下の画像参照)。

 

別紙プログラム(下の画像参照)には井戸氏の挨拶、参加者の歓談などが記載されている他、<本年は飲食を提供しないため、会費は徴収しません>、<当日は必ずマスクを着用していただくともに、換気をした部屋での開催となりますの で、暖かくして来場願います>、<当日朝にご自宅で検温いただくなど、感染症の拡大防止にご協力ください>などと、感染防止対策を講ずることも記されている。だが、全国的に感染が拡大する中、公金を使って人を集めることに賛意を示す県民は少ないだろう。

兵庫県議の一人が次のように内情を語る。
「開始時間午前11時に兵庫県公館に到着しようとすれば、2時間以上も前のラッシュに自宅を出ないと間に合わない人も、いらっしゃる。新年から300人近い人の集まりというのは、いかがなものかという気がします。井戸氏は今年で最後の新年交礼会なので、どうしても開催したい意向と県庁からは聞きました」

毎年参加している兵庫県内のある団体幹部は、「コロナ禍の中で、新年早々から、270人も人を集めて、挨拶しなければならないのか、不思議。普通は中止か、リモートじゃないでしょうか?毎年出される軽食がないから、感染防止は十分だという話を聞きましたが、集まること自体がまずいんじゃないのか。ただ、うちは団体のメンツもあり、欠席もできない。そういう団体はけっこうありますよ」と苦悩の表情を見せている。

今年夏に予定される兵庫県知事選挙で、井戸氏は後継に金沢和夫副知事を指名するのではないかという見方がある。新年交礼会の式次第には、その金沢氏の挨拶も入っている。「井戸氏も、金沢氏も、どちらも挨拶というのでしょう。知事選挙の後継者をお披露目のように見えてしまう」(前出の兵庫県議)

新型コロナの累計患者数が8,000人を超えたが兵庫県で、公金を使った「会合」に理解を得られるとは思えないが…‥。

(山本吉文)



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