追い込まれた鹿児島県、三反園会見巡る「嘘」認め関連文書開示

政府の緊急事態宣言を受け配信した三反園訓知事のメッセージ動画から記者団との質疑場面を割愛していた鹿児島県が、連休明けの7日、虚偽説明を続けてきた姿勢を一変させた。

■「会見ではないから公開しない」の真っ赤な嘘

これまで県は、知事のメッセージ読み上げ後に行われた記者団との質疑を割愛したことについて「会見ではなかったため」と説明していたが、7日夕になって正式に「会見だった」と方向転換。開示請求でしか出せないとしていた記者クラブ加盟社あての発出文書も、「認識不足だった」としてFAX送信してきた(下の文書参照。赤いアンダーラインはハンター編集部)。

 どこから見ても「記者会見」の案内。しかも、案内を発出したのは、県広報課ではなくハンターに“嘘”をついた健康増進課だ。確信犯的に虚偽説明を行ったことは明白で、県組織の腐敗を象徴するケースと言えるだろう。

ただし、嘘を認めはしたものの、依然として記者団との質疑場面は隠されたまま。知事のパフォーマンスだけが県民に発信された形に変わりはない。姑息な隠蔽は続いているということだ。

■県民からも厳しい批判

問題の動画は4月16日、20日の両日に三反園知事が行った「緊急事態宣言を受けての県民への知事メッセージ」と「緊急事態宣言を受けた本県の対応に関する県民の皆さまへの知事メッセージ」を、県職員が録画してネット上で公開したもの。

このうち16日の会見の動画には、画面手前に報道機関の記者の後ろ姿が映っていたが、三反園知事と記者たちの間で行われた質疑の部分はすべて削除されていた。20日のメッセージ発信時にも記者団とのやり取りがあったというが、公表されている動画にその部分は一切出てこない。

「なぜ報道に出てきた知事と記者団との質疑が省かれているのか」「一方的に三反園さんの言うことだけ発信するのはおかしい」――複数の県民から疑問の声が上がったため、記者団とのやり取りが割愛されていることの理由を聞いたハンターの記者に対し、担当の県健康増進課は「記者会見ではなくて、あくまでも県で収録した県民に伝えたい知事メッセージを掲載させていただいたということで、記者会見とは違う」などと“会見”を強く否定。納得できない記者の猛抗議に「言葉が足りなかった」と連絡してきたが、その時の言い分は到底真摯な謝罪とは言えないものだった。「会見だったと認めるか?」と聞いた記者にどう答えたか、念のため、県職員の発言を一言一句違えずに再掲しておきたい。

《いえ。広く県政一般についてお聞きする知事の定例会見と違って、今回、知事のメッセージをお出ししたので県民の皆さんに広く周知をさせたいと思いまして、マスコミの方々に案内をして、で、そのメッセージをホームページに載せるとともに、マスコミの方々にも広く周知していただきたいという主旨で案内したので、それを載せたことには尽きるんですけども、はい、実際のところは……。》

このあと、県庁記者クラブに加盟する報道機関にあてて発出された案内文書をFAX送信するよう頼んだところ、県側は「開示請求の手続きをとった形でご対応をお願いしたい」として情報提供を拒んでいた。

ハンターは、三反園知事が県民に向けたメッセージを発した際の記者クラブあて案内文書に記されていたのが「記者会見を開催します」という文言だったことを、複数の関係者に確認。5月1日に県側に正式な抗議を行い、改めて報道機関あての案内文書を開示するよう求めていた。

新型コロナウイルスに県としてどう対応するかが問われる中、県民が知りたいことを聞いたはずの記者団と知事とのやり取りを隠蔽する三反園県政の姿勢に、県民から批判の声が上がるのは当然だ。隠蔽の経過を知った鹿児島市在住の男性会社員は、次のように話す。
「県庁の職員が、すぐばれるような嘘を平気でついたとことが恐ろしい。こんな役所は信用できない。記者団との質疑の場面を省いて知事の発言だけを動画で流したのは、明らかに知事のパフォーマンスだけを目立たせようという意図からだ。三反園さんの指示があったか担当課が忖度したかのどちらかだろうが、夏の知事選を睨んだ愚かな行為だとしか思えない。ただ、三反園さんのメッセージ動画を改めて見たが、文書を読み上げただけで心に響く言葉などなかった。東京や大阪の知事と比べれば、パフォーマンスとしては失敗例で、別の意味で情けなくなった」

指宿市在住の主婦も同意見だ。「ひどい嘘ですね。“勘違い”とか“ついうっかり”では、絶対にない。記者会見の場面を意図的に隠し、知事が右往左往するところを隠したんでしょう。これまでの知事の会見の動画を見てみましたが、人をバカにしたような場面ばかり。記者と記者の向こう側にいる県民への敬意というものが、まったく感じられない不誠実な態度でした。コロナ対策にしても、よその自治体のやっていることをなぞっているだけで、独自策は何もない。無能で嘘つきという三反園さんの体質が、県庁全体をダメにしている」



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