博多の台所「柳橋連合市場」新組合設立の動きに困惑の声

「博多の台所」と呼ばれ、市内の飲食店や多くの市民に食材を供給している柳橋連合市場。同市場の運営を30年担ってきのは「柳橋連合市場協同組合」だが、今年10月、市場内に新組合設立の公告が掲示されたことで、市民から「組合分裂の危機か」と心配の声が上がっていた(*参照記事⇒《博多の台所「柳橋連合市場」に異変|年末商戦前に分裂の危機 》)

取材を続けていたところ、新組合設立に関するいくつかの疑問が浮上。そうした動きに困惑する市場関係者の姿が浮き彫りとなった。

■市民も動向に注目

柳橋連合市場は戦後にいくつかの小組合が一つにまとまり、現在の形の商店街を形成してきた。1992年に法人化された「柳橋連合市場協同組合」が、30年以上市場の運営を担ってきた。いまも市場内で営業する30数店舗のほとんどが組合に加盟。組合の理事会では5名の役員が選任され、市場運営の汗かき役を担っている。

新たに設立されたのは「協同組合柳橋うまかもん市場」で、創立総会が11月19日に開催された。新組合の発起人らは、老朽化したアーケードの改修問題について現組合の執行部に何度も対応を求めたが、対応されなかったことを新組織の設立理由に挙げ、新組織で行政や関係団体と協議し、安心して営業できる環境づくりを行うとしている。

これまで一枚岩で実績を積んできた市場に、新たに組合が設立されるとあれば異例の事態。しかも現理事の対応に懸念を持つ関係者が現れたことで、市民からも「分裂の危機ではないか」と心配の声が上がる。

■疑問1 なぜ理事改選しないのか

現組合執行部への不満に起因する新組合の設立なのだが、通常の組合運営ならば現理事会に対し不信任を突きつけ、組合員の意思をもって理事を改選すれば済む話だ。すでに全営業店舗が加盟している組合の活動実績を無視して、新たに組合を立ち上げるのは不自然に映る。組合が2つに分裂すれば、当然市場内の意見の集約は困難になる。それが顧客に迷惑をかけることになりはしないか――?

現組合の理事によると、新組織側から事前の通告や申し入れなどはなく、唐突に公告書が掲げられたという。つまり、理事改選を働きかけるような動きなどはなく、いきなり新組合の設立が公告されたことになる。手順を踏んだ動きとは思えない。

■疑問2 公平性を欠く新組織の組合員資格

新組合の設立趣意書にも首をかしげざるを得ない部分がある。組織の概要説明ににある、「組合員たる資格」についての記述だ(下、参照。赤い囲みはハンター編集部)。

① 菓子小売業(製造小売)、豆腐・かまぼこ等加工食品小売業、食肉小売業(卵、鳥肉を除く)、野菜小売業、各種食料品小売業又は化粧品小売業を行う事業者であること。

①に該当する事業者が新組合に加盟できるというわけだが、このくだりを読んで違和感を覚えた関係者は少なくなかった。なぜか、柳橋連合市場の主要業種である「鮮魚店」が外されているのだ。何かの間違いで鮮魚店だけが記載漏れになったのか、意図的に外したのかは分からなかったが、理由が後者であるなら、加入制限を設けて新組合の賛同者を募ることには問題が残る。堂々と新組合を設立するのであれば、どんな業種であっても公平に受け入れるのが筋だからだ。

ある鮮魚店の関係者も、こう話す。
「私も最初は何かの間違いだと思ったが、大々的に公告している文書に間違いがあるわけがない。意図的に鮮魚店を外していると思った。理由はわからない」

現組合の理事改選を求めなかった理由や鮮魚店外しについて確認しようと発起人代表に取材を申し込んだが、初めは「創立総会前だから話せない」。創立総会が過ぎて改めて取材を申し込んだが、「話すことはない」と事実上の取材拒否だった。別の発起人にも問い合わせたが、回答は得られていない。

新組合の設立趣意書には「私ども協同組合柳橋うまかもん市場は責任ある市場運営を行うため、現協同組合を離脱して設立いたします」と記載してあるが、現理事に確認したところ、組合の会則上、事業年度内での離脱はできないことになっているという。新組合設立への動きが混迷の度を増している。

 

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