膨らむ疑惑|「黒革の手帳」が暴く宮路大臣政務官と鶏卵マネーの関係(2)

吉川貴盛氏や西川公也氏といった農林大臣経験者に、多額の「鶏卵マネー」が渡っていたとされる贈収賄事件。汚れたカネで政界を汚染したのは、鶏卵生産大手「アキタフーズ」(本社:広島県)の秋田善祺元代表だった。

汚職摘発の決め手となったのは、昨年公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された元法相・河井克行被告と妻で参院議員の案里被告周辺を調べていた検察が、河井被告側に資金を提供していたアキタフーズに家宅捜索を行った際に押収した「裏帳簿」と「手帳」。とくに手帳には、吉川・西川両氏以外の政治家の名前が頻繁に登場すると言われていたことから、永田町ではその記載内容に注目が集まっていた。

元農相の二人については、手帳の記述と裏帳簿にあるカネの動きが合致するなど秋田元代表との関係性が確認されているが、他の政治家で「記述とカネ」の関連性がハッキリしたのは総務大臣政務官を務める宮路拓馬衆院議員(九州比例)だけ。宮路議員側は、高級料理店における「会食」の前後でカネを受けっとっていた。

その宮路議員と鶏卵マネーのつながりに、問題の手帳の記述内容から別の疑問が浮上している。

■手帳の「3~4」は何を示す?

下は、前稿で紹介した2017年12月6日の手帳の記載である。『19:00 伊藤・宮路先生会食 (キャピトル水簾)』として、宮路議員と自民党の伊藤忠彦衆院議員(愛知8区)が、秋田元代表と会食する予定であることが記されている。(下の画像参照。赤い矢印はハンター編集部)

当日分の記述をよく見ると、会食予定の上に『3~4』と読める数字がある。この書き込みが問題なのだ。

手帳に出てくる他の政治家に関する記述の中には、“現金の額”とみられる走り書きがある。では、宮路議員との会食予定に示された『3~4』はどう見るべきなのか――。その点について、アキタフーズ関係者が、次のように解説する。
3~4というのは参加者の人数かもしれませんが、そうでない可能性もあります。まず、宮路先生、伊藤先生に秋田氏で3人。アキタフーズ側にもう一人、参加予定があったというケース。次に、数字が渡した現金の額を示す場合です。現金についてのメモが手帳に残っている可能性はあります」

裏帳簿と照らし合わせるなどして今後の検証が必要となる状況であることは間違いない。

■手帳の記述と政治資金パーティー

疑問はまだある。宮路議員は2019年12月2日にも秋田元代表と会食していたのだが(下の画像参照)、宮路議員の資金管理団体「拓翔会」の政治資金収支報告書を見ると、翌日3日に「衆議院議員宮路拓馬と国政を語る会」がANA INTERCONTINENTAL HOTELで開催され、約600万円の収入があったと報告がなされていたことが分かる。

秋田氏から宮路議員の支援団体「新政策研究会」に50万円の献金があったのが12月4日。12日には、わざわざアキタフーズの東京本社を訪ねていた。では、「3日」の政治資金パーティーに、アキタフーズや秋田元代表は関わっていなかったのか――?

実は、疑わざるを得ない状況になってきている。ある捜査関係者の話。
「吉川元農水大臣は、アキタフーズ側からもらった500万円のうち300万円を、政治資金パーティーの収入に偽装していた。手口も分かっていて、10人以上のアキタフーズ社員の名前を使って、政治資金収支報告書に記載しなくてもいいように、小口に分散するという工作をしていた。ある政治家が同じ手口を使っていた模様で、吉川元大臣も教えてもらったということだ」

自民党内では、宮路議員もアキタフーズ側からパーティー券を買ってもらったが、同じ手口で表に出していないのではないかと囁かれているのである。もちろん、そうみられることにも理由がある。吉川元農相に大口の献金を表に出ないよう、政治資金パーティーの収入に潜り込ませる手法を伝授したと言われている政治家が、宮路議員と親密な関係にあったからだ。その政治家とは……。

(つづく)

 

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