「国税査察専門安心・永田町交渉人チーム」不可解な取材拒否の理由は?

国税当局による刑事告発や重加算税をゼロに――と謳った凄いサイト「国税査察専門安心」をネット上に公開している「東京永田町税務事務所」。“税理士と永田町交渉人チーム”が国税査察と渡り合い、“経験により会得し裏付けられた問外不出の奥の手を駆使した、永田町からの『交渉術。』”によって、経営者とその家族、従業員、さらには取引先や友人の皆様まで守ってくれるというのだから、これほど有難い話はない。

法人向けの着手金66万円と月額報酬66万円の初月合計が132万円、業務中別に毎月66万円かかるというのが安いのか高いのか分からないが、刑事告発や重加算税をゼロにすると約束してくれるのが“現役税理士と永田町”とくれば国税当局に睨まれた経営者は飛びつくことだろう。興味を持ったハンターの記者は、東京永田町税務事務所がある東京・永田町にとんだ。

■事務所は無人、電話は代行?

東京永田町税務事務所は、永田町にある参議院議員会館の裏手にあるビルの4階にあった。

インタホンを押したが応答はなく、数時間後も、その翌日も同じ状況が続いた。

やむなく、サイトに記されていた番号に電話したところ、すぐに女性が「はい。東京永田町税務事務所でございます」と気持ちのいい対応。どうやら電話代行だと見当をつけ、税理士か交渉人の在籍の有無を尋ねた。

対応の女性が「出かけております」とした上で「ご用件を承ります」というので、取材の申し込みだと話すと、確認しておくという。数日後の返事は、「守秘義務があるので取材には応じられない」という結論だった。さらに2度ほど取材の申し込みを行ったが、承諾を得ることはできなかった。

個別具体的な案件について聞こうというわけでもないのに徹底した取材拒否。どうも、派手な広告サイトとの整合性がない。「そちらの事務所と依頼者の間でトラブルなどはないか」と方向を変えてみたが、取材拒否の姿勢は変わらなかった。この頑なさは理解できない。最後の手段として、文書取材に切り替えることにした。

質問事項は4点、そのうち1~3は、次の内容である(質問4については後述する)。

1 「国税査察専門安心」のホームページを拝見いたしました。そこでお尋ねしますが、貴殿や東京永田町税務事務所の業務は、査察を行った国税が「告発」しないように国税側と「交渉」すること、さらには「交渉」によって、査察や査察後の刑事告発を止めることだと解釈致しましたが間違いありませんか?解釈が間違っていれば、ご指摘ください。

2 「国税査察専門安心」に掲載された料金体系は、かなり高額なものだと思料いたしますが、その点についてはどのようにお考えですか?

3 貴殿または東京永田町税務事務所が受任した案件で、報酬をめぐってのトラブルを起こしたことはありませんか?

回答に詰まるような難しい質問ではないのに、郵送した質問書に対する東京永田町税務事務所の対応が、記者の疑念を膨らませることになる。

(以下、次稿)

 

 

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