【新型コロナ】月形刑務所で職員が感染 刑務作業「防護服」生産計画に影響も

北海道の月形刑務所(空知管内月形町、小野記忠所長)で現職の刑務官1人が新型コロナウイルスに感染していたことがわかり、法務省が4月15日に発表した。施設では内部を消毒した上で、接触があったと考えられる受刑者を隔離し、同じく職員を自宅待機とした。同刑務所では受刑者の刑務作業で医療用の「防護服」を作る方針が固まったばかりで、早ければ5月にも生産が始まることになっている。

ウイルス感染が確認されたのは、同所で受刑者の入浴介助や巡回などを担当していた20歳代の男性刑務官。4月6日から7日にかけての「昼夜間勤務」中に発熱などの症状があり、翌8日から自宅待機していた。9日に医療機関を受診し、味覚・嗅覚に異常を感じて13日にPCR検査を受けたところ、15日に陽性が確認されたという。現職刑務官の感染は、4月5日に大阪拘置所で確認されて以来6人目(15日時点)。確定受刑者が入所する刑務所内では初めてのことで、北海道の施設でも初めてとなる。

法務省矯正局医療管理官室によれば、刑務官が感染した経緯や感染経路などは今のところ特定できていない。施設では同刑務官と接触した疑いのある受刑者を単独室(個室)に隔離しており、それ以外の受刑者から味覚・嗅覚異常や風邪症状などの訴えがあった場合も隔離する可能性があるという。全員をPCR検査の対象とするのは現実的でないため、疑わしいケースについては“外”の場合と同じく最寄りの保健所に相談することになる。現在隔離中の受刑者と出勤自粛(自宅待機)中の職員、それぞれの人数について月形刑務所は「公表は控えたい」としている。

法務省は4月に入ってから、各地の刑務作業でマスクなどを生産する計画を発表、すでに山口県の美祢社会復帰促進センターで地元の学校向けにマスクを作り始めているほか、各地の刑務所で医療用の「アイソレーションガウン」などの製作を検討していることが明かされた。月形刑務所でも早ければ5月から「防護服」を作り始めることになっており、矯正局成人矯正課では「月内にもスケジュールが固まる見通し」としている。

政府の緊急事態宣言後、刑務作業で“塀の外”の感染症対策に一役買う計画が動き出したさなかの、刑務官の感染。月形刑務所では今回の事態を受け「防護服の件も含め、今後の刑務作業の進め方を改めて検討中」という。作業中の受刑者が着用するマスクについては「ある程度の備蓄があり、現時点では不足していない」としている。同刑務所は1983年開設。収容定員は1,844人で、4月15日時点の受刑者数は801人(収容率43.4%)。おもに累犯で刑期の短い受刑者(B指標)を収容している。

(小笠原 淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。
北方ジャーナル→こちらから

 

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