鹿児島県南大隅町 入札省いて2億円解体工事発注

スキャンダルまみれの町長が居座る鹿児島県南大隅町で、町発注の工事を巡る疑惑が噴き出した。

不可解な発注方法から疑惑の目を向けられているのは、同町としてはめったにない大型事業だとされる役場の新庁舎建設工事。先週の配信記事(⇒「鹿児島・南大隅町 庁舎解体工事に重大疑惑」)で指摘した通り同町は、現庁舎の解体工事を、見積りもとらずに新庁舎建設を請負った業者に発注していた。

契約額は約2億円。通常なら新庁舎建設とは別の業務として入札を行い、落札者を決めて発注すべき性格の工事だ。それを追加工事に仕立て、契約変更という形で処理していたため、町内からも役場の姿勢を疑問視する声が上がっていた。

同町のトップは、核ゴミ処分場絡みのデリヘル接待や金銭スキャンダルで、南大隅町の存在を全国に知らしめた森田俊彦町長。この件に関する取材及び情報公開請求によって、不可解な解体工事の発注に、やはり同氏が主体的に関わっていたことが分かってきた。

■隠蔽一転「ないはずの文書」を追加開示へ

町の担当課は、ハンターが情報公開請求で求めた解体工事の積算書を、不開示でも一部開示でもない 事実上の“不存在”として処理。記者の追及を受けた担当職員が、うっかり文書の存在について口を滑らせたことから、ないはずの積算書が、じつは存在することが明らかとなっている。その際の、記者と担当職員とのやり取りの概要である。

――開示対象の文書は、送られてきたものが全てか?
職員:送ったものが全て。

――解体工事の当初設計額が黒塗りになっているのは何故か?
職員:南大隅町は、すべての情報公開で設計額を非開示としている。

――しかし、設計額を非開示にすれば、最終的な契約金額の正当性が担保でされないことになる。町民への説明責任も果たせないが?
職員:設計額は非開示になっている。

――当初設計額も変更設計額も黒塗りになっている。これでは、変更された請負額が正当なものなのかどうか分からない。設計額に、業者にとって都合のいい数字を入れてやったのではないか?
職員:だから、変更した設計額を積算して……。

――ストップ。いま、あなたは積算と言った。すると、積算書があるということだ。あなたは、開示した文書が全てと言った。しかし、積算したという。なぜ、積算書がないことになっているのか?あるのなら、文書の存在は明らかにすべきだ。この情報公開は条例違反だ。
職員:開示請求書に“設計図書を除く”とあったので、積算書もそこに入ると思った。

――開示請求の段階で、図面などの設計図書は必要ないと話している。その折、積算書は必要であると、わざわざ説明を入れている。請求書にもそう記入したし、現に南大隅町の開示決定文書や実施通知書には、ハッキリと積算書と記されている。あなたの主張は通らない。
職員:検討する時間が欲しい。

このやり取りから数日。ハンターの抗議にどう対応するかという役場内の協議について「時間がかかる。いつになるか分からない」などと無責任な態度を取り続けていた同町は、ようやく積算書の存在を正式に認め、文書開示に応じるという姿勢に転じている。

問題の解体工事の積算書の数字は、町側が黒塗りにして隠すことが予想される。だが、どう隠そうが現庁舎解体工事が不自然な形で発注されたことは事実。しかも、業者への便宜供与が疑われるような方針を決めたのが、森田町長とその側近たちだったことを示す証拠が、不十分ながら開示された関連文書の中に存在していた。下は、解体工事を新庁舎建設の受注業者に発注することを決めた際の協議結果の決裁文書だが(赤いアンダーラインはHUNTER編集部)、話し合いに参加していたのは町長、副町長のほか総務課の幹部ら4人だけだった。この密室協議において、約2億円の公共工事を入札なしで発注する方針を決めたということになる。

次週は、建設業界の関係者が「あり得ない」とする解体工事の発注過程について、取材結果や開示された文書を基に報じていく。問題の背景に町長の金銭スキャンダルがあることも分かってきた。



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