注目の参院広島選挙区、情勢調査では……

4月25日、元法相夫妻の公職選挙法違反事件で揺れる広島で、河井案里氏の議員辞職に伴う参院広島選挙区再選挙の投開票が行われる。

自民党と公明党が推すのは、元経済産業省官僚の西田英範氏。野党は立憲民主党や国民民主党、共産党が統一候補としてアナウンサーの宮口治子氏を擁立し、事実上の一騎打ちとなっている。

■野党VS与党で接戦

報道機関の情勢調査が次々に報じられているが、ハンターがその具体的な数字を入手した。選挙戦前半の4月10日から11日に行われた各社の調査では、宮口氏が49ポイント、西田氏が41ポイントなどと、自民党が苦戦、宮口氏が10ポイント弱、優位に立つという状況だった。だが、選挙戦後半の4月16日から18日の世論調査では、宮口氏と西田氏がまったく同数で並ぶ調査結果ばかり。西田氏優勢でも、その差は1ポイントにも満たないというケースもあり、予断を許さない情勢となっている。

「4月25日には、参院広島選挙区を含めて3つの国政選挙がある。そのうち勝ち目があるのは、広島だけ。カネもヒトもすべてそこに投入している。宏池会会長で総理総裁候補でもある岸田文雄先生も、負けたら総理の目が完全に消えるので必死だ」と広島選出の自民党国会議員。そこで、情勢調査の結果をさらに細かくみてみることにした。

議員辞職した河合克行被告は、広島3区が選挙区だった。ここに限っての調査では、野党系の宮口氏は50ポイント、自民の西田氏は38ポイントと宮口氏が大差でリードしている。岸田氏の地盤である衆院広島1区では、3ポイントだけ西田氏が勝っている。

自民党の寺田稔衆院議員の地元・衆院広島5区では、西田氏が4ポイント上回る。しかし、他の衆院の小選挙区はすべて宮口氏が西田氏の上をゆく現状で、特に立憲民主党・佐藤公治衆院議員の衆院広島6区は、15ポイント以上も宮口氏が引き離している。

ただし、組織戦に強い自民党と公明党のこと。期日前投票の出口調査では西田氏が10ポイントから15ポイント、宮口氏より上に来るという展開だ。

■暗い影落とす買収事件

選挙戦の現場では、克行被告と案里氏夫妻の公職選挙法違反事件がボディーブローのように効いているという。広島県内で買収事件に関わったのは約100人、うち市議や県議など政治家関係者は約50人にのぼっており、夫妻は2,900万円をばら撒き、票をカネで買ったという前代未聞の事件だった。

案里氏は有罪判決が確定し、克行被告も裁判で事実関係を認め、共に議員辞職した。50人の政治家うちの一人である市地方議員は、克行被告の裁判において、カネは買収目的でもらったと認めている。その彼は、「自民党県連から『河井からもらった者はこの選挙では何もするな』ときつく言われた。だから、動員の協力、ポスター貼りもしません」と他人事のように話す。

前出の自民党国会議員は、苦悩の表情を隠せない。
「遊説にまわっていても『カネ配ったらあかん』『買収はいけんでのう』と有権者からきつく言われますよ。河井夫妻がどれほどひどいことをしたのか、痛感します」

長年、自民党を支援してきた広島市内の会社社長を訪ねると「ポスターを貼ってほしい、ハガキ、ステッカーだと地元の議員が持ってきます。けど、受け取るのが怖くてね。もし、中にカネが入っていたらとんでもないことになる。それほど、自民党には信用がありません。うちだけでなく、かなりの自民党支援者がそんな感じですよ」と打ち明ける。会社の玄関にもポスターは貼られず、山積みとなっていた。

そんな中、西田氏の演説を聞いていると「最も訴えたいのは政治改革です。当選が無効なのに、歳費が返還されないのはおかしい。こうした政治制度を変えていきた」とお笑いのような主張――。当選無効になりながら、歳費をもらい続けていたのは案里氏だ。その応援をしたのが、安倍晋三前首相や菅義偉首相だ。おまけに、河井夫妻の買収資金ともいわれる2,900万円の出所は今もわかっていない。自民党が支出した1億5千万円の行方についても収支報告はなされていない。自分自身の透明性、正当性を証明できない自民党がどうやって政治改革するのだろうか?

「案里氏と菅首相がパンケーキを食べる動画を出したりしていたので、党本部も必要最低限の資金を応援するだけで、何もできません。ただし、投票率があまり伸びないとされていますので、最後は組織に勝る西田氏が逃げ切れるのではないか。だから、河井隠しに徹していればいい。歳費ことなど訴えない方が勝てると思うのだが……」(自民党幹部)

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