現役看護師が見ていた江差看護学院のパワハラ実習

「看護師になるための実習は、一般の人たちが考えている以上に厳しく、大変なものです」。ある現役看護師は、そう語る。現場の実習が緊張の連続となるのは当然だが、それに加え、担当する患者さんへの治療が何のために行われ、治療の結果どうなっていくのかや、その日実習で学んだことなどまで細かくレポートにまとめるよう求められるため、夜も寝る間を惜しんで作業に没頭するのだという。

目にクマを作りながら昼間の実習に励むといったケースが普通で、それだけでも相当なストレス。「そこに教員のパワハラが加われば、実習生の受けるストレスは2倍、3倍になります。『自殺を考えた』という生徒さんたちが相次いでいたのは、理解できるんです」「江差の生徒さんたちのために、私にできることなら、可能な限り力になってあげたい」。札幌の看護学校を卒業したというその現役看護師さんは、江差の生徒たちに特別な思い入れがあると打ち明ける。実は彼女、以前勤めていた病院で、江差高等看護学院の教員によるパワハラを実際に目にしていた。

■入院患者を不愉快にさせた江差教員のパワハラ実習

私が数年前まで勤務していた道南の病院で、江差看護学院の実習を受け入れていました。私も看護師ですので実習の経験はありますが、客観的に見て「ひどいな」と思ってました。

毎年受け入れていた為、病院の先輩スタッフからは「ナースステーションで学生を泣かせたり、暴言を吐くため雰囲気が悪くなる」「また、あの先生くるの?嫌だな」などと聞いていました。私も含めて、看護実習の経験者が「ひどい」「おかしい」と思うのですから、江差の教員の指導が常識外れだったのは確かです。

また、患者から見える位置で学生を泣かせたりするため、患者からも「学生が可哀想だ」「見ていて不愉快だ」などと言われていました。ある患者さんは慢性期だったこともあり長期入院されていたのですが、毎年、実習に来る江差の学生さんたちが可哀想だと思って見ていたそうです。それくらい、ひどかったんです。

実習中は、毎朝申し送りで学生が1日の行動計画を発表しますが、数人の実習生がいる中で、何故か一人だけ参加すらさせずに別室でレポートをやらせている光景も数回みました。そんな時は、よく別室の中から実習生の泣き声が聞こえていました。ナースステーションの一角に実習生のスペースを提供するんですが、そこで教員から何か言われた実習生が泣き出すと言った光景も見ました。

また、病院の指導看護師が高い評価をつけても、江差の教員の評価が何故か低く、不合格になるケースもありました。実習の点数は、病院側と江差の教員の両方がつけた点数の合計で決まるのですが、60点とれば合格ラインのところ、病院側が80点をつけて送り出したのに、後に『あの子、留年したらしいよ』と聞いて驚いたこともありました。今回の報道を見て、“やっぱり”という感じです。

私が勤務していた病院のスタッフには江差の卒業生も毎年数名いましたが、留年している人が多いことに驚いていました。

看護師を目指し、実習で泣かない学生はあまりいないかと思います。どんな学校に行っても、実習はキツいしツラいです。でも、指導とパワハラは違います。私は札幌の看護学校を出ましたが、友人には江差を受験した人もたくさんいました。でも、入学した人はいませんでした。道立で学費も安く、寮もあるのに何故入学しないのでしょう?評判が悪いからです。道南の看護師育成には必要な学校のはずです。しかし、留年者や退学者が多い。国家試験の合格率が低いとなれば魅力はありません。それでも頑張って看護師になろうと入って潰された学生が、本当に可哀想です。

北海道庁が何を調査しているのか分からないが、本気で江差高等看護学院の教員たちが行ってきた集団パワハラの実態を明らかにするつもりなら、鈴木直道知事が会見を開いて情報提供を呼びかけるべきだろう。時間をかければ騒ぎが収まるとでも思っているとすれば、大きな間違いだ。

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