田川市環境政策課に旅行命令書偽造の疑い(上)

 また一つ、田川市環境政策課による悪質な違法行為の一端が明らかとなった。

 今月13日、不透明なごみ処理施設整備事業に関する情報公開請求を巡って、福岡県田川市の村上卓哉市長が永原譲二大任町町長を強要未遂の疑いで刑事告訴した。永原氏は市長に対し、田川市議が市に請求した大任町の発出文書を「出すのなら、田川市長名に作り替えたものを出せ」と迫った上で、首を縦に振らない市長に対し「(田川郡東部環境衛生施設組合の)議会から出ていけばいい。いやなら自分たちで(ごみ処理施設を)建てりゃいい」、「あんた方には協力せん」、「こんなことしとったら、あんた、4年間もたんよ」などとヤクザまがいの脅しをかけていた。

 この事件の裏にあったのは、絶対に守らなければならない開示請求の内容と請求者を永原氏に漏らした池口芳幸市環境政策課課長(当時。現・「市立病院総務課長」)の守秘義務違反。ハンターが問題視される池口課長の動きを確認するため、2度にわたって同氏及び勢嶋伴睦市民生活部長(当時。現・建設経済部長)の出張命令書と復命書の情報公開請求を行ったところ、1度目は「口頭による命令、復命だった」として文書不存在の回答。その直後、ほとぼりが冷めたと考えたのか、何者かが複数の旅行命令書を遡って作成していたことが分かった。つまりは偽造。違法性が問われる事態だ。

■旅行命令書、当初は「不存在」

 守秘義務違反が明白な池口氏の大任町役場訪問は、「公務」として認められたものだったのか――?ハンターは7月、永原町長が村上市長に圧力をかけた際に立ち会った市民生活部の勢嶋部長に取材し、永原町長に情報公開請求の内容や請求者の氏名を漏らした池口課長に、大任町への出張命令を発出したかどうかについて確認を求めていた。この時の勢嶋部長との一問一答を再掲する。

――だからそれ(情報公開請求の内容)は池口さんが伝えないと、辻褄が合わない。では聞くが、池口さんに出張命令書は出ているのか?大任町に池口さんが行くときに。
勢嶋:それは、出てます。出張に行くのは報告は受けています

――すると、池口さんが情報公開の相談に行ったことを、あなたは知っていたということでいいか?
勢嶋:情報公開の相談に行ったんじゃないと、私は聞いています。

――何をしに行ったのか?
勢嶋:出された文書の発信元に対して、あの、確認をしに行ったんだと思いますけど。出された文書に関する……。要するに大任町さんから出された……。

 行政の仕事は税金を原資に成り立っている。その行為が正当に執行されたことを証明するためには「裏付け」が必要だ。公務出張であるなら、決裁権者が発する「出張(旅行)命令書」と、出張者が提出を義務付けられた「復命書」である。勢島部長が出張命令は「出ている」と断言したため、市に対し「本年6月1日から7月10日までの市民生活部長と環境政策課長の出張命令書及び復命書」を開示請求したが、それに対する市の回答が下の「情報非開示決定通知書」だった。

 指定した「本年6月1日から7月10日まで」の出張命令書と復命書は不存在。その理由には「命令及び復命は口頭で行っていた」と記載されている。同市が定めた「田川市文書規程」では、「職員が出張先から帰庁したときは、速やかに、出張復命書を市長に提出しなければならない。ただし、主管課長が口頭による復命を認めた場合は、この限りではない」(第 49 条)とされており、復命書がないことを以て直ちに不適切とは言えない。しかし、旅行命令書に関する勢島部長の発言――「出張に行くのは報告は受けています」「情報公開の相談に行ったんじゃないと、私は聞いています」――という第三者的な物言いは、命令権者の立場から発したものとは思えない。“おかしい”と感じたハンターの記者は、過去の出張記録まで確認するため、人事異動後の8月3日、改めて令和元年度から本年度(8月15日現在)までの約4年4か月分の、環境対策課長(今年4月から「環境政策課長」)と市民生活部長の出張命令書及び復命書の開示請求を行っていた。

■非開示決定後に命令書偽造か?

 この請求に対する開示決定は8月30日。驚くべきことに、送られてきた文書の中には『旅行命令書も復命書も「不存在」だったはずの期間=本年6月1日から7月10日』の池口氏と勢島氏の旅行命令書が含まれていた。このうち、令和元年度から本年7月までの間に行われたという池口氏の出張の時期、用務先、用務内容をまとめた。

 19回も出張命令を受けておきながら、復命書は1枚もない。かなりの旅費を費消したはずの東京出張の時でさえ、復命書は作成されていなかった。杜撰というより“いい加減”。《口頭での復命も可》という例外規定をいいことに、好き勝手な動きをしていた証拠だろう。他の自治体では考えられない、でたらめな職員管理の実態である。

 注目すべきは、当初旅行命令書が「不存在」だったはずの今年6月1日から7月10日までの動きだ。なんと10件もの命令書がある。口頭で命令し、口頭での復命を受けたと明言していた田川市の公式決定は、真っ赤な嘘だったことになる。遡って命令書が作成されたとすれば、公文書偽造の疑いが生じる。誰の仕業なのか――?

 次稿で、事件化必至の事案の真相と、信じがたい市側の“言い訳”について詳しく報じる。

 

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