【速報】北海道が改めて「因果関係」認める| パワハラ遺族への謝罪の説明、二転三転

北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題で、在学生の自殺とハラスメントとの因果関係を否定したとされる北海道が一転、この因果関係を認めた上で学生の遺族に謝罪していた事実を認めた。一方、賠償金をめぐる示談交渉では「必ずしもハラスメントが自殺の原因のすべてではない」との姿勢で臨んでいるとし、謝罪の意と示談への取り組み方の喰い違いが改めて浮き彫りとなった。

◇   ◇   ◇

2019年9月に江差看護学院の男子学生(当時22)が自殺した問題で道の第三者調査委員会は本年3月、複数の教員によるハラスメントを認定し、いずれも学生の自殺に関連していると認める調査結果を公表した。これを受けた道が5月中旬になって遺族に直接謝罪した経緯などは、これまで報じてきた通り(既報)。遺族はこれがハラスメントと自殺との相当因果関係を認めた上での謝罪だったと受け止めていたが、10月下旬になって道の顧問弁護士が突然「因果関係は認められない」との認識を示したため、その後の知事会見などで当時の謝罪の真意が問われ始めたところだった。

これについて1日午前、記者会見を開いた道保健福祉部は「(5月の謝罪は)調査結果を受け止めての謝罪であり、そこには相当因果関係を認めることも含まれていた」と、問題の因果関係を道が5月時点で認めていたことをあきらかにした。ただ、それについての法的責任などは当時まだ検討中の段階で、道の立場は謝罪後の示談交渉で主張していく考えだったとも説明。現在の具体的な交渉内容は「コメントできない」とし、交渉にあたっては「必ずしもハラスメントが自殺の原因のすべてではない」との姿勢で臨んでいるとした。同時に、当時の謝意が変わったわけではないとも説明しており、謝罪と示談交渉との姿勢の矛盾が最後まで残される形となった。

一方、遺族代理人の植松直弁護士(函館弁護士会)は同日午後に「道の回答はとうてい納得できず、受け入れられない」との声明を発表、併せて10月30日に届いたという道からの回答文を報道公開した(*下、参照。画像クリックで拡大)。

植松弁護士は「ご遺族は非常にショックを受けている」「道が第三者委の認定内容を覆すのであれば、具体的な根拠をきちんと説明して欲しい」と、改めてこれまでの理不尽な対応を批難。亡くなった学生の母親(47)は「今さら『必ずしもすべてではない』とは呆れてしまいます。こんなことなら謝罪を受けなければよかった」と、道への不信感を募らせている。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

この記事をSNSでシェアする

関連記事

最近の記事一覧

  1. し尿処理、ごみ処理、消防、斎場といった暮らしに関わる広域行政の実権を掌握した田川地域の“ドン”永原譲…
  2. 来年春の統一地方選で3度目となる大阪都構想の住民投票に打って出る予定の日本維新の会に、「自作自演」の…
  3. 高市早苗首相が「私の知恵袋」と褒め上げて抜擢した簗和生農水大臣に早くも「更迭」の危機だ。 ◆   …
  4. 北海道・京極町の農場で起きたとされるミャンマー人労働者への虐待問題で(既報)10月上旬、一連の問題を…
  5.  11月1日告示、15日投開票の福岡市長選挙に立候補を表明したのは新人ばかり12人。それぞれ…




LINEの友達追加で、簡単に情報提供を行なっていただけるようになります。
ページ上部へ戻る