日大疑惑で注目の医療法人グループ、細田派側へ多額の献金

 病院建設を巡って2億円の資金が日本大学から流出したとして、東京地検特捜部が強制捜査に踏み切った。今月8日に家宅捜索を受けたのは、日本大学本部(千代田区)や大学の関連会社「日本大学事業部」(世田谷区)、田中英寿理事長の自宅、田中氏が経営するちゃんこ料理店など。9日には、大阪を基盤とする医療法人「錦秀会」(本部・大阪市)の関連会社2社(X社=大阪市、Z社=東京都港区)も捜査対象となった。その錦秀会グループが、安倍晋三元首相の出身派閥である細田派と同派の議員に、多額の政治献金を行っていたことが分かった。

◇  ◇  ◇

 ある捜査関係者が、こう話す。
「日大板橋病院の建て替え事業では、東京の会社が設計と監理を24億円で請け負った。日大本体から出たカネが、設計会社を通じて最終的にはZ社に入った模様だ。2億円のうち1億円は日大側に戻っているのではないか」

 事件のキーマンの一人として名前が上がっているのが、錦秀会CEOの籔本雅巳氏である。籔本氏が安倍晋三前首相とゴルフをともにする親しい間柄であることは既報の通り。「籔本氏は安倍氏だけでなく、細田派のタニマチという感じです」と話すのは、細田派の衆院議員だ。そこで、政治資金収支報告書を調べてみると、籔本氏や錦秀会グループから細田派の政治団体「清和政策研究会」に、多額の政治資金が渡っていたことがわかった。確認できたものだけで、次のような状況だ。

・平成16年:錦秀会から50万円、グループの医療法人「兵庫錦秀会」から100万円
・平成17年:錦秀会から74万円
・平成23年:兵庫錦秀会から30万円、グループの医療法人「睦会」から30万円、同「聖和錦秀会」から30万円
・平成24年:錦秀会から74万円、兵庫錦秀会から30万円、聖和錦秀会から30万円、睦会から30万円

 細田派の中で最も多額の政治献金を受けていたのは中山泰秀防衛副大臣で、同氏が代表を務める政党支部「自民党大阪府第4選挙区支部」には、平成24年から令和元年まで毎年、籔本氏名義で100万円が献金されていた。また、錦秀会グループからも政治資金とパーティ券代を受け取っていたことがわかっており、その額は平成17年から令和2年までで3,628万円に上る。

 錦秀会側はそのほか、東京オリンピック・パラリンピックの組織委員長でもある橋本聖子元オリパラ大臣、石破茂元幹事長、医療を所管する厚生労働省の田村憲久大臣、木村義男元厚労副大臣、松川るい参院議員といった自民党の議員に加えて、無所属で二階派の細野豪志衆院議員にも献金していた。

 錦秀会を知る自民党幹部は、次のように話している。
「錦秀会の籔本氏には、これまで他の事件でも大阪地検特捜部に狙われたりと、かねてからグレーな話があった。日大疑惑をやっているのは東京地検特捜部でしょう。“何も出ませんでした”という話にはならない。総裁選、衆院選があるのに、日大疑惑を気にしている議員は少なくない。それだけ、籔本氏が政界に食い込んでいる証拠であるとともに、首筋が寒い議員も多いってことでしょう。それにしても、森友学園、加計学園そして錦秀会と安倍氏の友人が絡む疑惑が多すぎる。東京地検特捜部のことだから、立件はそう遠くないはず。確実に衆院選に影響しますよ」

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