オミクロン感染拡大でも見過ごされる維新・吉村大阪府知事の失政

新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大が止まらない。政府は24日、これまでの16都県に加え、北海道、大阪、福岡など18道府県にまん延防止等重点措置を適用する方針であることを明らかにしている。

なぜ東京に次ぐ大勢の感染者が出ている大阪府の重点措置適用が今頃になったのか――?

■突出する大阪の死者数

1月18日段階の大阪府の新規感染者は5,394人、この時点で5,185人の東京都を上回り、日本でトップとなっていた。それでも吉村洋文大阪府知事は記者会見で、「大阪府がまん延防止等重点措置を要請するには、病床利用率が35%を超えてから」と繰り返した。

吉村氏は関西圏にある京都府、兵庫県の知事と1月19日に会談。3府県で足並みをそろえて重点措置適用を要請することを申し合わせていた。だが、兵庫県で同日、新規感染者が2,511人と前日より1,000人近く増加したため、吉村知事も病床使用率に関係なく国に要請することを決めた。25日から、ようやく大阪府もまん延防止等重点措置に移行する。

メディアに頻繁に登場して、コロナ対策を訴える吉村知事。しかし、その手腕に大きな疑問符がつくことは、ハンターで何度も報じてきたところだ。

知事が会見で公表した、大阪大学大学院の森下竜一教授らによる新型コロナウイルスの国産ワクチンの開発計画は、大阪府から多額の援助を受けながら頓挫。新型コロナウイルス感染防止に一定の効果があると、やはり会見ではしゃいだ「ポビドンヨード」の話は、いつの間にか消え去った。死者数を他の自治体と比較すれば、大阪府の失政はより明らかとなる。

大阪府の死者数は3,077人。人口で大阪の1.6倍の東京は3,184人、神奈川県は1,328人だ。大阪府の数字は突出しているといえる。大阪府内のある救急隊員が、こう振り返る。
「新型コロナウイルス第4波、第5波。大阪府では中等症や重症になっても入院や治療が受けられないケースが続出し、大問題になった。『高熱で何日たっても入院が決まらない』との119番通報で駆け付けると、コロナで重症の患者さんでした。病院に電話しても、満杯で受け入れができない。仕方なく酸素吸入だけして、自宅で療養というケースが何度もあったんです」

テレビなどへの露出を続けることによって吉村知事は、「吉村知事は頑張っている」というイメージを植え付けているだけなのではないのか。

■失政は明らかだが・・・

「維新として国の方針とは違うコロナ対策を打ち出し、経済を動かすというのが吉村知事の方針。まん延防止等重点措置が遅れたのも、そこに理由がある。しかし、今回は兵庫県、京都府と共同歩調をとった。兵庫県が要請するので、大阪府もやらざるを得ないという言い訳のために3府県で組んだんじゃないのかとみられている。後で突っ込まれても兵庫県が希望したからと、言い訳ができる。わかりやすく言えば国の方向性に抵抗する姿勢だけ見せて独自色を出し、維新をアピールするという手法です」(大阪府の幹部)

吉村知事が「重点措置要請は病床使用率35%以上」と線引きを強調した1月19日時点の使用率は31.3%。翌日20日には35.8%と基準をオーバーし、23日には47.8%へと急上昇した。緊急事態宣言の要請も視野に入るような数字だが、この間の知事の動きは鈍かった。

吉村知事は、大阪・南港のインテックス大阪に「大阪コロナ大規模医療・療養センター」――いわゆる「野戦病院」を開設することを昨年11月に明言していたはずだが、何故か今もって開設されていない。かねてから、宿泊療養施設の使用率が50%程度になることを目安に開設すると説明していたが、猛威を振るうオミクロン株による病床使用率の急上昇を前に、なす術なしの状況だ。宿泊療養施設の使用率が一気にアップすることは、容易に予想がついたはずだが……。

1月7日の記者会見で吉村知事は、次のように述べた。
「(私は)現場を預かる人間。知事ですから外れましたではすまされない。テレビでコメントいうのは簡単、府の最終責任者、知事として担っている。外れましたすいませんではすまない。感染者、爆発的に増えるかもしれない。重症化率高くない感染者は増える。医療療養の最適化図る」「大規模療養センターは進めていく。宿泊療養施設の使用率が50%に達した段階で私がボタンを押すのが事前のルール。その後2週間の準備がある。オミクロン株の感染拡大は早い、あっという間に宿泊療養埋まるかもしれない」

大規模療養センターの計画は、無症状・軽症患者用800 床、中等症患者用200 床、合計1,000床規模となっている。しかし、オミクロン株の猛威の前には、2週間という準備期間ではとても追いつかないのではないか。前出の大阪府幹部が懸念を示す。
「ベッドなど施設の準備は2週間である程度、完了できます。しかし、看護師など人的なものは、難しいのが現実。事実、委託業者が求人情報をかけている真っ最中で、2週間後に1,000床がオープンできる見込みはない」

その言葉通り、今も求人サイトなどには、大規模療養センターでの看護師やアルバイトの募集が見られる。(*下の画像参照

大阪府の死者数が突出した理由の一つが、第5波で自宅療養者が1万8千人にも及び、十分な医療が提供できなかったからだ。大規模療養センターの設置をぶち上げたのが昨年11月。第6波の危機的状況になっても、アルバイト・看護師募集ではとうてい十分な医療体制は望めそうにない。吉村知事の失政に、大阪の人間は気付かないのか?

 

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