「侵入」逮捕の道新記者書類送検|指示したとみられるキャップも

材先の大学敷地内に「侵入」したとして逮捕された北海道新聞旭川支社の記者が、事件から9カ月を経て書類送検されたことがわかった。北海道警察は事件送致の事実を発表していないが、捜査関係者は経緯を事実上認めており、報道大手も17日までにこの動きを伝えている。

■記者名晒した道新幹部に社内から冷たい視線

建造物侵入の疑いで旭川区検察庁に書類送検されたのは、昨年6月に旭川医科大学に「侵入」して逮捕された道新旭川支社の新人記者(20歳代)と、同記者に指示を出したとみられるキャップ(40歳代)の2人。新人記者は逮捕2日後に釈放され、キャップらとともに旭川東警察署の在宅捜査に応じていた。送致は16日付。

逮捕当時、渦中の道新のみが新人記者の氏名を伏せずに事件を報道した経緯は、本サイトで繰り返し報告してきたところ。実名報道を決めたのは同編集局報道センターの幹部職員だったとされているが、これについて道新関係者の1人は次のように証言する。
「親しい警察キャップ経験者を通じ、道警側に匿名・実名のお伺いを立てたのが彼です。みんな知っていることですが、嫌気がさしていて言わないだけです」

別の道新記者は今回の送検の報に触れ「サツはもっと引き延ばしたかった筈だが、異動があるので年度跨ぎは避けたんだろう」と推し量る。先の道新幹部氏のポストについて、次年度の人事がほぼ固まっているためだ。現幹部の後を継ぐことになるのは、編集局内の別の部で部長職を務めている人物。この次期幹部氏はかつて部下へのハラスメントで懲戒処分を受けたことがあり、道新内部からは「どうしてそんな人が……」と絶望の声が上がっている。

「上層部は『彼は編集委員時代にたくさん原稿を書いたから「みそぎ」は済んだ』と、わけのわからない論理を展開していますが、それとこれとは別の話です。道新はもっとマトモな会社かと思っていましたが、残念です」

本社に勤務する社員の1人は「2人とも道警の傀儡のような存在」と評しており、先の人事が事実とすれば、新人記者逮捕事件の背景にある上層部の体質は次年度以降もほぼ改まらないことになる。

「侵入」事件送検の報を受け、道新経営管理局の法務広報グループは次のようなコメントを発した。《検察が刑事処分を決定した段階で、北海道新聞としての見解をあきらかにしたいと考えております》

新人記者を「常人逮捕」した旭川医大は、取材に対し「大学としては今後も引き続き検察の捜査に協力して参ります」としている。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

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