【速報】ヤジ排除国賠で原告全面勝訴|争点にない「表現の自由侵害」にも踏み込む

安倍晋三元首相に「やめろ」などどヤジを飛ばして排除された人たちが地元警察を訴えた裁判が25日午前、一審判決に至り、札幌地裁の廣瀬孝裁判長が被告の北海道警察に計88万円の損害賠償を命じる判決を言い渡した。

◇  ◇  ◇

判決で廣瀬裁判長は、道警が主張していた「警察官職務執行法を適用する要件」をことごとく否定、排除の現場では警職法対応が必要なトラブルなどは起きていなかったと指摘、仮にトラブルが起こるおそれがあったとしても「警告する」「割って入る」などの対応で足りるとした。

原告らが主張していた「表現の自由」については、改めて「不可欠の基本的人権」とし、「呼び捨てはいささか品位に欠けるが」と原告の苦笑を招きつつ、その自由が認められることは論を俟たないと明言した。

「虚心坦懐に証拠調べに臨んだが、動画や証人尋問で(道警の主張は)続々と崩れていった」と指摘した際には、傍聴席が笑いに包まれた。

廣瀬判事はさらに、市井の声に「ヤジは選挙の自由妨害」なる誤解があることを引き合いに出し、「被告ですら選挙違反は主張していない」と強調、ヤジが選挙妨害にあたらないとの考えを表明した。言い渡しを終えて法廷を後にした裁判長の背には、傍聴席と原告席から大きな拍手が寄せられた。

判決後、原告の大杉雅栄さん(34)は「争点ではなかった『表現の自由』にも触れてくれた素晴らしい判決」と評価、同じく桃井希生さん(26)は「これでもかというぐらい主張を認めてくれて、不安になるほど。道警は控訴しないで欲しい」と話した。

 

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 

この記事をSNSでシェアする

関連記事

注目したい記事

  1. 今夏の参議院議員選挙に出馬して落選した国民民主党福岡県連の大田京子代表が、違法ポスター問題で醜態を演…
  2. 鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員(10月末で退職。以下、「男性職員」)が、新型コロナウイルス…
  3. 国会議員であれ地方議員であれ、政治家は法令を作る側の立場にある。そうした人たちが、法律や条例の規定を…
  4. 旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に対し宗教法人法による「質問権」を行使したことを、永岡桂子文部…
  5.  この11月に創刊80周年を迎えたブロック紙・北海道新聞(札幌市、宮口宏夫社長)で、同社労働組合が実…




LINEの友達追加で、簡単に情報提供を行なっていただけるようになります。

ページ上部へ戻る