「オフなら話すがオンは嫌」|駄々っ子・永原譲二大任町長が報道関係者に繰り返す“でっち上げ”

不正な建設行政の実態を隠すために情報公開条例を改悪したり、町会議員の一般質問を阻止すするなどやりたい放題の永原譲二大任町長。報道機関の取材に対し、自身のコロナ感染や賭け麻雀、コロナ禍でのハレンチ宴会といった都合の悪い話について口をつぐむ一方、言い訳や人の誹謗・中傷だけは何時間でもしゃべり続けるのだという。

筑豊に伝わる「川筋気質」とは縁遠い卑劣な姿勢だが、大政治家にでもなったつもりか、最近になって取材を申し入れた報道各社の記者に「オフなら話すが、オンなら話さない」と駄々をこねている。

■自己弁護と人の悪口で数時間

その永原氏、特殊警棒を振るって町民を威嚇したとして福岡県警が検察に事件送致した件が不起訴となり報道陣を呼んで囲み会見を開いたが、身の潔白を訴える場面だけ「オン」、都合の悪いことは「オフ」だとして取材内容を一方的に縛り、報道関係者を呆れさせた。

報道取材において「オン」と「オフ」があるのは事実だ。オフ・ザ・レコード( off the record)を略して「オフレコ」、さらに短くして「オフ」。報道しないことを条件に情報が提供されることだ。対して、公表してさしつかえないことの情報提供がオン・ザ・レコード(on the record)で「オン」。永原町長の場合、人の悪口、でっち上げ、自己弁護はほとんど「オフ」で、「オン」は差し障りのない案件についての話に限定される。

最近は、取材申し込みに対し「オフなら話すが、オンなら話さない」が常態化しており、普通に接触可能なのは新聞社の田川支局などに駐在する記者ばかりなのだという。ある報道関係者が、笑いながらこう話す。
「(支局の記者は)扱いやすいと思っているんでしょう。確かに、永原町長に媚びを売る記者もいるようですから。まあ、記事を読んでれば癒着の度合いが分かりますがね。取り込まれちゃうバカもいるってことですよ。ただし、テレビはそうはいかない。普段の付き合いがないから、初めての記者ばかり相手にしなきゃならない。飴もムチも通用しない。RKB(RKB毎日ホールディングス)の株を買ったらしいですが、株主の言うことなら聞くと考えたんでしょう。だけど逆効果。株を買われたことが明るみにでたことで、局側は町長を徹底追及するしかなくなった。投資対象になるような株ではないし、ムダな買い物というか、ムダなあがきというか……。特殊警棒事件といい、オフレコ取材の要求といい、RKB株のこともそうだけど、町長さんのやっていることは滑稽にしかみえない」

たしかに滑稽である。実は、永原氏が「オフ」だと信じて話した内容のほとんどは、新聞やテレビのニュースにならないだけで、直接・間接にハンターの記者の耳に入ってくる。そうした意味で「オフ」にはなっていないが、永原氏はそれに気付いていなかったようだ。「オン」「オフ」について、きちんと理解していないのかもしれない。

そもそも、報道関係者が死守するのは「情報源」であって、オフレコ情報が絶対に秘匿されるわけではない。政治家が「オフ」だと決めつけて話した内容でも、読者や視聴者にとって重要な情報なら、メディア側の判断で容赦なく報道する場合もある。

永原氏がたれ流す「オフ」での話は、自己弁護と他人の悪口、それもすぐにでっち上げと分かる内容ばかりなので、ほとんどの記者が“隠してやっても意味がない”と思っているのだという。では、しゃべり出すと2時間でも3時間でも記者を町長室にとどめるという永原氏は、どのような話をしているのか――。

■組関係者と対立議員の関係をでっち上げて誹謗中傷

永原氏が「オフ」だと称して話している内容を複数の関係者から聞かされたが、いずれもお粗末すぎて笑いをこらえるのが大変なくらい。欺瞞に満ちた内容には、聞かされた報道関係者もハンターの記者も、「よくこんな作り話ができるな」と呆れるしかない。

永原氏が、記者たちを何時間も引き留めてまで吹き込んでいるのは、永原氏に批判的な次谷隆澄大任町議会副議長やハンターに関する「永原情報」(ある記者の表現)。その内容は次の二つに絞られる。

① 「次谷は、(指定暴力団)太州会幹部の○○組長(実名)と親密で、反社。身体には入れ墨」

町議会の副議長が、暴力団幹部と親密であるなら由々しき事態。次谷氏に確認したところ、表情を引き締めてこう話す。
「町長が言っていることは、複数の記者さんから聞いていました。どれもほぼ同じ内容ですよね。私が、○○組長を『知らない』と言ったら噓になります。実は、お互いの自宅が近所なので、道で会うことは避けられないんです。小さい頃から、存在を知っていたのも事実。ただし、私は社会的なお付き合いはお断りしておりますし、そのことは先方も承知しています。町長は、議会で追及しようとしてきた私を何としても反社の人間に仕立てたいのでしょうが、作り話と現実は違います。私にとっても失礼千万な話ですが、相手が組の人間だからといって、自分の地位を守るためにでっち上げで人を陥れていいはずがない。やり方が汚い。その裏で、建設業界を牛耳り、不当な行政運営で町を支配してきた。たくさんの税金が、無駄に使われたことも分かってきた。だからこそ私は、永原町長をリコールすべきだと言っているんです。私が入れ墨?冗談でしょう。見ますか?」

自分に歯向かう副議長の信用を落として権力を保とうという永原氏の魂胆は、「オフ」であったはずの話が記者たちの口から伝わり、次谷副議長の知るところとなっている。

警察関係者からは、別の“でっち上げ”が伝わってきていた。永原氏は、昨年3月に行われた大任町長選挙の告示前に、次谷副議長と前出の組幹部が、「新人候補を降ろしてやるからカネを出せ」と脅してきたと話していたというのだ。ところが、ハンターの取材で、若い候補者を「降ろせないか」とその筋に相談していたのが、他ならぬ永原氏自身だったという証言が得られている。もちろん県警が、永原氏のでっち上げに踊らされるはずはなかった。

② 「ハンターは、カネをもらって記事を書いている」

ハンターの記事でかつてない苦境に立たされている永原氏は、町長室で取材した際、記者にハンターの経営状況についてしつこく聞いてきた。どうしても「カネをもらって記事を書いている」ということにしたかったのだろう。記者が“カネをもらって記事を書くようなゲスなまねはしていない”と言っても、「それでは会社は成り立たんじゃないか」と勝手に決めつけた。三流権力者特有の、身勝手な自己主張だった。

自分に批判的な相手を嘘八百並べて誹謗中傷する一方、特殊警棒を振るって町民を襲ったことへの反省は皆無。不透明な「町勢振興費」や、議会の一般質問が行われてこなかったことなどについては自身の関与を否定し、コロナ感染や賭け麻雀といった「不都合な真実」については一切答えない――これが永原譲二という政治家の実態だ。

では、暴走する永原氏が権力を保ち続けてこられたのは何故か――?近い時期にその疑問に対する答えを示すことになるが、町長には「オン」で取材に答えてもらいたいものだ。政治家には「説明責任」がある。

 

 

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