政策も「粗製乱造」|吉村大阪府知事、役立たず新型コロナ野戦病院に78億円 

大阪府の吉村洋文知事が新型コロナウイルス感染拡大の切り札として開設した、「大阪コロナ大規模医療・療養センター」(大阪市住之江区)が先月31日に閉鎖された。

国際展示場「インテックス大阪」に開設され、無症状・軽症患者用800人、中等症患者用200人、合計1,000人分の病床が用意されていた同センターは、今年1月31日から無症状・軽症患者用、2月15日から中等症患者用の運用がはじまった日本最大の「野戦病院」(吉村知事の表現)だったが、実際にはほとんど役に立たず、税金の無駄遣いに終わった。

◇   ◇   ◇

1月末から運用がはじまった同センターの利用者はほとんどおらず、最後までがら空き状態。利用者は最大でも1日あたり70人、閉鎖までの累計で303人という惨憺たる状況だった。

療養センターに使われた税金は78億円。患者1人につき2,570万円もかかったという究極の無駄遣いだった。ある大阪府の幹部職員が、こう振り返る。
「療養センターを開設した直後のことでした。何人目かの利用者を受け入れたのですが、その患者は1日で『ホテルの宿泊療養にしたい』と出て行きました。国際展示場なのでだだっ広くて寒い。その時、こりゃ失敗だと察知した」

2月24日に配信した本サイトの記事でも、療養センターの先行きが真っ暗で、その原因の一つが「寒さ」だと指摘していた。

大阪府自身が、『中等症病床のご案内』という案内の冊子で、入所の際に持参するものを《衣類・パジャマ・下着類》とした上で、《 温度調整可能なもの推奨》《セーター、タイツ、厚手の靴下等も忘れず 館内は寒いので着替えも持参 救急車で来る場合は外出用の服と下足も》と記していた。大阪府が「寒い」と認めていたのだ。「ところが」と、前出の大阪府幹部職員が打ち明ける。
「ハンターの記事が出たあと、別のメディアでも『寒い』というのが療養センターの欠陥のように報じられました。そこで、府はご案内の一部を作り替えたのです」

確認したところ、前述の「寒さ」を認める内容の記述が《空調は全館一括管理のため、個別に調整はできません。必要に応じ上着、ひざ掛け、毛布等をご持参ください》と改まっていた。(*下の画像、参照)

だが、新型コロナウイルスは指定感染症「2類感染症」と国が定めている。結核、重症急性呼吸器症候群(SARS)に相当する危険性が高いものだ。厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症 診察の手引き」を見ると中等症は、呼吸困難、肺炎が見られる人で、酸素投与が必要な場合もある。場合によっては《高度な医療を行える施設へ転院を検討》とまで記されている。

大阪で、コロナ患者の治療にあたったある医師は、「普通の人が中等症の患者さんに酸素投与している様子をみれば、重症だと思うでしょう。『生きて帰れるのか?』と――。吉村知事はそういう府民を、暖房の温度調整さえできない野戦病院にベッドを置いて治療していたんです。とんでもない話。そういう発想だから、死者が全国最多の5,000人を超えたのではないですか」と厳しい目を向ける。

6月6日現在、大阪府の死者は5,079人。東京都の4,523人と大きな差があり全国最多の数は際立つ。だが、吉村知事は記者会見で「オミクロンは、若い人の命にかかわるほど変異株にならなかった」「イザという時の施設は、稼働せずにすんだ」と言い放った。療養センターに費やされた78億円もの税金については、まったく触れることはなかった。

「失政」には知らん顔で、目立つことやパフォーマンス一生懸命になる吉村知事は、日本維新の会の副代表である。周知のとおり、同党が参院選に向けて公認を決めた候補者たちは、経歴詐称や居住実態が疑われるような問題児ばかり。政策まで「粗製乱造」では、有権者は泣くにも泣けない。

参照記事⇒『やっぱり「粗製乱造」|日本維新の会・岬麻紀衆議院議員に経歴詐称疑惑 』・『日本維新の会・参院選公認予定者の経歴に疑問噴出

 

 

 

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