田川市・疑惑のごみ収集業者プロポーザルに新事実|ルール無視して「業務提案書」隠蔽

自分たちが作ったルールを無視してまで隠蔽に走らねばならない理由が、あったということだ。

官業癒着や理不尽な情報非開示など不適切な行政運営の実態が次々と明らかになった福岡県田川市(二場公人市長)のごみ収集運搬業務プロポーザルを巡り、市が、業務を委託した早雲商事とクリーン北部九州の「提案書」を不当に隠していたことが分かった。

担当課長の早雲商事ゴルフコンペ参加や、契約書の業者名を隠蔽したことなどを合わせると、プロポーザルの審査過程で採点が操作された可能性を疑わざるを得ない。

■業務提案書、市の「要領」では原則開示

田川市が頑なに開示を拒否してきた文書の一つが、今年4月から同業務を行っている早雲商事とクリーン北部九州がプロポーザル応募の際に提出した「業務提案書」だ。

市は、提案書の内容を開示することによって「(提案業者の)競争上の地位その他の正当な利益を害する」という理由で非開示決定を下したが、プロポーザル実施にあたって所管部局が策定した『要領』には、業者が開示を拒否しなければならない部分を「文書」で事前提出するよう規定していたことが分かった。

下が「田川市一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務プロポーザル実施要領」の1枚目。問題の記述部分を、抜粋して次に示した。

 要領には、「業務提案書等の取扱い」として、こう明記してある。

事業を営むうえで、競争上または事業運営上の地位その他正当な理由を害すると認める情報は非開示となる場合があるため、この情報に該当すると考える部分がある場合には、あらかじめ文章により申し出ること

提出期限以降の訂正は、本市から指示があった場合を除き一切認めない」という、厳しいルールだ。当然、プロポーザルに応募した業者は、実施要領に定められた『事業を営むうえで、競争上または事業運営上の地位その他正当な理由を害すると認める情報は非開示となる場合があるため、この情報に該当すると考える部分がある場合には、あらかじめ文章により申し出ること』という規定に基づく文書を、田川市に提出しなければならない。

当該業務を請け負った早雲商事とクリーン北部九州の提案書は、昨年行った開示請求では全面非開示。それが今年になってからの再請求では、何故か、のり弁状態で大半を隠した両社の提案書が開示された(*下の写真参照)。情報公開にあたってのルールやマニュアルが定まっておらず、恣意的な運用を行っている証拠だ。

いずれにせよ、ほとんどの内容を非開示にした以上、田川市には開示を拒否する部分を示した業者の「申し出文書」が提出されているはず。でなければ、非開示にする必要はない。ハンターは今年3月、業者から提出されているはずの当該文書を開示するよう市に情報公開請求していた。それに対する回答が下の非開示決定通知である。 当該文書は不存在。つまり、早雲商事とクリーン北部九州は、「田川市一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務プロポーザル実施要領」に定められた『事業を営むうえで、競争上または事業運営上の地位その他正当な理由を害すると認める情報は非開示となる場合があるため、この情報に該当すると考える部分がある場合には、あらかじめ文章により申し出ること』という規定に基づく文書を田川市に提出していなかったということだ。

もっとわかりやすく述べれば、両社は業務提案書の全面開示を容認していたことになり、田川市の業務提案書非開示には妥当性がないということになる。

そもそも、業務提案書に記入が義務付けられていた提案のテーマや人員配置、雇用計画、ハイブリッド車などの所有状況、ISO1400などの環境マネジメントシステムへの取り組み状況といった内容は、公表されても企業活動の妨げになるような情報ではない。

■隠蔽で疑われる「不正選定」

田川市が、自らのルール=「田川市一般廃棄物(ごみ)収集運搬業務プロポーザル実施要領」の規定を無視してまで、事業の実態を非開示にしたのは何故か――?

プロポーザルで選定が進められたA、B、C三つの工区のうち、A、B両工区で第一位となった早雲商事はA工区の受注を辞退。C工区一位のクリーン北部九州も、辞退届を出していた。業者選定を無にするに等しい異例の事態の結果、改めて早雲商事とクリーン北部九州が億単位の仕事を分け合う形で契約が結ばれていたことが明らかとなっている。市が当初、契約業者名を非開示にしたのは、不可解な業者の入れ替えを隠すためだったとみられる。

今年になって判明したのは、事業を所管する環境対策課の池口芳幸課長が、「行っていない」と否定していた早雲商事のゴルフコンペに参加していたという事実である。

一連の動きから導き出される答えは、一つしかない。業者との癒着を背景にしたプロポーザルにおける不正、つまり評価点の操作による不正選定の隠蔽だ。それを疑うに足る別の事実を、ハンターはすでに掴んでいる。

(以下、次稿)

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