【参院選2022】注目選挙区「東京」「京都」の最新情勢

7月10日に投開票を迎える参議院選挙の、主な情勢調査の数字が判明しはじめた。自民党リードが報じられる中、大接戦の選挙区もあり、その最新情報をお伝えする。

■東京選挙区

全国で最も注目を集めるのが東京選挙区だ。全国最多の34人が立候補し、定数6を争う。

各種情勢調査の数字でトップを走るのが、2期目を狙う自民党の朝日健太郎氏。6月に自民党が実施した調査ではダントツの1位。最新の数字でも14%の支持を集めており、元バレーボール日本代表という知名度や、1期を無難に務めた安定感が支持につながっているようだ。

朝日氏に並んで好調なのが、同党の生稲晃子氏。元おニャン子クラブのメンバーというネームバリューを武器に、10%~12%の支持を得ている。

自民党にとって、東京選挙区での2議席奪取は至上命題。2019年の参院選では、武見敬三参議院議員が立憲民主党の候補に追い上げられ最下位で滑り込むという薄氷の勝利だった。「しかし、今度は違う」と、東京都選出の自民党衆議院議員は自信をみせる。
「当初、生稲氏に不安があったが、選挙戦がはじまって認知度が高まり、浮動票がとれることがわかってきた。さらに、最大派閥である安倍派の国会議員らが張り付いてサポート。朝日氏は組織票をガッチリか固めており、2人当選は固いところだ」

◇   ◇   ◇

旧民主党の時代には東京で2議席をとってきた実績もある野党第一党の立憲民主党は、伸び悩む党勢を象徴するかのような苦戦を強いられている。

当初、自民党の情勢調査で13%前後の数字を得てトップをうかがっていた同党現職・蓮舫氏の支持率は、6月末に10.7%まで下落。「定位置」と言われたトップ当選に必要な100万票は、危うい情勢だ。

立憲2人目の松尾明弘氏に至っては、いずれの調査でも4%台の支持となっており、最低でも5%必要とされる6議席目はまだまだ遠い。

「2人当選は夢のまた夢。蓮舫氏のトップ当選も無理でしょう。蓮舫氏は自らの当選が固いため、トップでなくてもいいと割り切って、地方での遊説を増やしている。だが、蓮舫氏も当選すれば4期目。次は2年後の東京都知事選狙いかとも言われています。ただし、ここで100万票とれなければ、それも難しくなりますが……」(立憲民主党の幹部)

◇   ◇   ◇

組織戦を展開するのが、公明党の竹谷とし子氏と共産党の山添拓氏。竹谷氏はいずれの情勢調査でも常に4番手か5番手。論客として共産党の将来を背負うとされる山添氏はSNS上でも人気が高く、竹谷氏の上をいく10%台をキープしている。

最後の6議席目を争うのが、れいわ新選組の山本太郎氏と日本維新の会の海老沢由紀氏。ファーストの会の荒木千陽氏、無所属の乙武洋匡氏が続く。その中では、山本氏が自民党の情勢調査で7~8%台とやや優勢となっており、ある報道機関の調査では10%を超える支持を集めている。勢いがついてきた感じだ。れいわ・山本氏の陣営は「山本氏が6番目ではなく、4番目、5番目で勝てば、その分、比例票も大きくプラスになる。一気に議席が増やせるチャンス」と意気込む。

一方、前回の参議院東京選挙区で1議席を獲得した維新は、大阪市議だった海老沢氏を公認するという不可解な選択で、当選ラインとされる5%に届くかどうか微妙な情勢となっている。確かに、比例にはタレントの水道橋博士が出馬しており、維新との対決姿勢がSNS上で大きく注目されている。

その維新の地方議員が、首をかしげながら現状を嘆く。
「はっきり言ってなぜ大阪市議の海老沢さんなのか、うち(維新)の幹部の判断は理解に苦しむ。当然、有権者も同じような反応だ。おまけに、全国比例の候補となった猪瀬直樹元東京都知事が演説中に海老さんの胸を触るなどして、スキャンダルが増幅。維新の強みである最後の追い上げで接戦に持ち込みたいところだが、勝ちきれないかもしれない」

荒木氏は4%台、乙武氏は3%に届かない数字で、厳しい選挙戦といえそうだが、無党派層の動向次第では展開が変わる可能性が残されている。

■京都選挙区

全国注視となったもう一つの選挙区は、定数2の京都。自民党の新人、吉井章氏が各種の情勢調査で終始1位となっており、トップ当選が確実視される。

問題は2議席目で、立憲民主党の前幹事長・福山哲郎氏と、維新の新人・楠井祐子氏、共産党の武山彩子氏が激しく競り合う。

自民党の調査では福山氏が24%、楠井氏19%、武山氏14%の順だが、展開次第では、3人のいずれもが2位に食い込む可能性を残した数字となっている。

京都は、立憲の泉健太代表の地元。5期目を目指す福山氏を落とせば、代表としての求心力低下は免れない。ほぼ毎日、党幹部が京都を訪れテコ入れを図っているが、戦況は予断を許さない。立憲民主党のある国会議員が、危機感を募らせる。
「比例で維新に負ければ、野党第一党から転落しかねない。そうなれば、すぐに代表辞任となりかねない。泉代表自ら、何度も福山氏の応援で京都入りしているが、まだ勝ちきれるところまでの手ごたえはない」

福山氏はマイクを握ると「なぜ京都に大阪を持ち込むのか。京都のことは京都で」と激しく維新批判を展開。応援に入った菅直人元首相も「大阪の知事、市長が、なぜか京都にきて選挙のことばかりやっている。知事や市長というのは、府民、市民のため仕事をすべきではないのか。維新は実におかしい政党だ」と訴える。しかし、維新はそうした批判など関係ないとばかりに、候補者本人がかすむほど、連日のように党幹部が京都入りして街頭活動に力を入れる。

「吉村知事は大阪より京都にいる時間のほうが長い。京都の知事かといわれるほど、何度も楠井の応援に入っています」と維新の地方議員が苦笑するほどだ。さらに、福山氏のかつての盟友である前国民民主党の前原誠司氏が楠井氏の支援に回っており、京都は、野党分裂の象徴的な選挙区といえそうだ。

伝統的に京都に強い共産党は、2019年の参議院選挙で2番手を確保して議席を獲得しており、維新を押しのけて上位を目指す戦いだ。2議席目を巡るデッドヒートが続く。

 

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