【2020鹿児島知事選】情勢調査でトップ交代|三反園知事に厳しい現実

今月12日に投開票を迎える鹿児島県知事選挙で、現職の三反園訓氏(62)が告示時点で守っていたリードを奪われ、逆に他の候補に離される状況となりつつあることが、ハンターや報道各社の情勢調査で明らかとなった。

三反園氏を推薦した自民党は、菅義偉官房長官や党幹部などがテコ入れを図っているが、地元の県連組織は分裂して機能不全。締め付けへの反発も出ており、2期目を目指す三反園氏には厳しい選挙戦となっている。

■塩田氏リード、伊藤氏が猛追

鹿児島県知事選挙に立候補しているのは、次の7人(届出順)。
・元高校教諭の武田信弘氏(66)
・内科医の横山富美子氏(73)
・元民放アナウンサーの青木隆子氏(57)
・現職の三反園訓氏(62)
・元職の伊藤祐一郎氏(72)
・前九州経済産業局長の塩田康一氏(54)
・元鹿児島大特任助教の有川博幸氏(61)

ハンターの情勢調査は今月6日と7日の両日、鹿児島県内の有権者を対象に実施した。RDD方式でサンプル数は500。その結果、塩田氏が優位に立ち、6月の調査で先行していた三反園氏が大きく支持を落とす状況であることが分かった。

伊藤氏が三反園氏と塩田氏を猛追しており、態度未定となっている3割近い有権者の動向次第で状況が変わる可能性もある。

読売、朝日、共同に加え地元テレビ局なども一斉に情勢調査を行っているが、実数で三反園氏がリードする結果があるものの、年代や地域性などを考慮して修正を加えると、ほとんどが塩田氏との競り合いか次点になる状況となっている。

県内4つの衆議院の選挙区のうち、三反園氏がわずかに優位を保っているのは鹿児島2区と4区のみ。大票田の鹿児島市は、すべての調査で塩田氏がトップに立っている模様だ。出身地の出水市などでは、伊藤氏が強さを発揮している。

■菅氏の依頼にも「形だけ現職支援」

追い込まれた自民党も必死の巻き返しに出ており、今週に入って菅官房長官が九電やJRなどの大企業幹部に直接電話を入れ、現職支援を依頼しているという。

ただし、新型コロナウイルスへの対応で後手に回り、検察人事などでも批判を浴びて支持率を大きく落としている安倍政権のこと、官邸からの指示にも以前の重みはないらしく、「仕方がないから形だけは現職支援ということに」と本音を漏らす経済人もいる。

自民党の締め付けに、反発も出ている。県内のある建設会社社長は、苦々しげにこう語る。
「前回の知事選は伊藤さんを応援しろといってきた。三反園さんは野党の統一候補みたいな存在だったはずだ。それが今度は伊藤さんを捨てて、三反園さん……。筋が通らない。外薗(勝蔵・県議会議長)やら利権目あての県議どもが現職にすり寄って、一方的に三反園推薦を決め、それを我々に押し付ける。冗談じゃない。スガだかスカだか知らんが、鹿児島のことに口出しせず、コロナ対策をしっかりやっとけということだ」

 

 

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