新型コロナウイルス感染拡大の影響は、こんなところにも出ている。
宮崎県は今月25日、宮崎県企業局発注の水力発電所更新工事の入札中止を公報した。新型コロナの感染拡大により、入札手続きが困難となったというのが理由だ。
中止となったのは、宮崎県東諸県郡綾町にある「綾第二発電所」の大規模改良事業のうち、発電所の水車、発電機、屋外変電設備、水圧鉄管などを更新するもの。参考価格は84億円を想定していた。
入札公告されたのは昨年12月。その後、競争参加者の決定や技術提案書の受付など今年4月までのスケジュールは滞りなく進んでいたが、新型コロナの影響で5月下旬に予定されていた発注者と競争参加者が意見を交わす「技術対話」が実施できないことを理由に入札中止を決めた。オンラインでの実施も検討したが、断念したという。
宮崎県企業局によると、入札中止が検討されたのは5月中旬で、各競争参加者には中止への了解を得ている。現在、再入札について検討中だが、再入札となれば入札手続きは一からやり直しとなる。
同局担当者は「発電所の老朽化が進んでおり、喫緊の課題ではあるが、更新しないとすぐに発電量に影響が生じるものではない」と話している。
綾第二発電所は、運転開始から60年が経過し、発電設備の老朽化がみられることから、令和2年度から令和7年度にかけて更新する予定となっていた。