大任町議長銃撃事件に衝撃の新事実|永原譲二町長関与の疑い

川筋気質で知られる指定暴力団「太州会」をバックに、暴力支配を続けてきた福岡県大任町の永原譲二町長が、2002年(平成14年)7月に起きた大任町議会議長銃撃事件に、深く関わっていたことが分かった。銃撃の実行犯だった男性(以下、A氏)がハンターの取材に応え、初めて事件の真相を明かした。
(*下の画像は、議長銃撃事件を伝える西日本新聞2002年7月2日の夕刊)

A氏は、すでに解散した太州会系組織の当時の組長(破門)の依頼を受け、渡された拳銃を使って銃撃を実行。この過程で、すでに1,000万円の軍資金が用意されていることや、元組長が漏らした「永原譲二」という名前から、実際の指示者が永原氏であることを確信したという。

逮捕・起訴され12年以上の刑期をつとめて出所したA氏に対し、永原町長自身が多額の現金を渡しており、町政トップが議長襲撃事件の黒幕だった可能性がある。

■取材実現までの経緯

昨年8月28日、資産公開の資料を閲覧するため初めて大任町役場を訪れた記者は、事前に閲覧可能と断言しておきながら、土壇場で「条例の規定上見せられない」と言い出した総務企画財政課の課長とやり取りする中、職員が奇妙な動きをしていることに気付いた。

職員が、記者からみると向かって左に設置された扉を出入りするたび、聞こえてくるのはカギの音。最初は、倉庫でもあるのかと思っていた記者が、何気なく“ところで、町長室はどこにあるの?”と聞いたところ、課長は「この横です」とその扉の奥の方向を指さす。その直後に最初で最後となる永原町長への直接取材が実現したのだが(既報)、取材メモには、町長室周辺の異常な警戒ぶりに驚いたことを記していた。

翌日、大任町在住の知り合いに町長室入口の扉のことを話すと、何度説明しても「そんなものはない。間違っているんじゃないか」と譲らない。首をひねるばかりとなった記者に翌日、「間違いじゃなかった。つい最近、ドアを造ってる。暴漢が来たらしく、その対策で町長が指示したらしい」との連絡。扉は、記者が役場を訪ねる少し前に急増されたものだった。

3日後、読売新聞に、普通なら読み飛ばしてしまうような短い記事が記載される(*下の画像が、読売新聞8月31日朝刊の紙面)

記事は、同町に住む建設業の男性が町長に危害を加えようとして役場に侵入し、建造物侵入の容疑で警察に捕まったという内容。逮捕された男性の名前を見た瞬間、記者は目を疑った。逮捕された男性は、2002年に起きた議長銃撃事件の犯人だったからだ。

男性が20日ほどで無罪放免となり釈放されたことは、すぐ町民の知るところとなり、記者の携帯にも釈放を知らせるメールが送られてきた。

記者はこの時点から、なんとか議長銃撃事件を実行した男性に話を聞こうと、接触を試みることになる。

理由は一つ。同町の関係者の間では以前から、「議長襲撃を指示したのは永原町長」という噂が広がっており、記者もそうした情報を承知していたからだ。“真相を聞きたい!”。そう思って動き出してから約1年、思いがけなく男性への取材が実現する。

『黒幕は永原町長』――冒頭に記したように、語られた真相は記者の想像をはるかに超える衝撃的な内容だった。

インタビューの際の、A氏と記者による一問一答を、明日から2回にわたって配信する。

*本稿に関し、ニュースソースを明示しない勝手な後追い報道や、記事の転用を禁じます)

 

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