【2023 北九州市長選】相乗り官僚陣営に衝撃の調査結果

「期日前出口は2.5ポイント差」、「武内44、津森40」――次々に判明する報道機関による期日前出口調査の結果に、与野党が相乗りで推す元国土交通省官僚・津森洋介氏(47)の陣営が色を失った。

■大善戦の武内氏

1月22日に告示された北九州市長選挙には、津森氏、厚生労働省出身の武内和久氏(51)、共産党推薦で団体役員の永田浩一氏(57)、一般社団法人代表理事の清水宏晃氏(39)の4人が立候補。選挙戦は、津森氏と2019年の福岡県知事選に自民党推薦で出馬した経験を持つ武内氏による事実上の一騎打ちとなっている。

津森氏を推薦しているのは自民、公明、立憲民主、国民民主の各党。さらには労働組合の連合も加わった分厚い陣容だ。

一方、武内氏を支援しているのは自民党会派をとび出した市議二人とボランティア。ただし、惜しまれながら引退した末吉興一元市長が名誉後援会長に就任している。

貧弱ともいえる武内陣営が、圧倒的な支援体制と物量を誇る津森陣営と互角以上の戦いを展開していることは、直近の調査結果からも明らかだ。

ある報道機関が直近で行った情勢調査によれば、津森氏と武内氏の差は僅か数ポイント。各社の期日前出口では、ほとんど差が無いか、日によっては武内氏が優勢になるという状況となっている。

支持政党別に見ると、公明支持層は7割前後が津森氏で固まっている模様だが、自民支持層の4割近くが武内氏に流れている他、無党派層では武内氏が津森氏を圧倒する勢いだ。

地域別では、市内7区のうち人口が最も多い八幡西区(約249,000人)、第二位の小倉南区(約20,8000人)、第三位の小倉北区(約180,000人)で武内氏がリード、津森氏は門司区(約94,000人)、若松区(約81,000)、八幡東(約64,000人)、戸畑区(約56,000人)などで若干のリードを保つ展開だという。

■ネットにぎわす津森氏の動き

圧勝して当然の津森氏が苦戦を強いられていのは何故か――?まず多くの関係者から指摘されているのは、テレビ局や学生が企画した候補者討論会に不参加だったこと。これが組織選挙特有の“内向き”ととらえられ、評価を下げる一因となった可能性がある。

スケジュールを入れた選対の責任だろうが、候補者本人の行動にも疑問符がついた。先月29日に北九州市内で行われたフットサルの試合会場に、“たすき”をかけたままの姿で現れた津森氏が、試合後の会場で真ん中に立って演説したというのだ。非常識と言うしかないが、この時の画像がネット上で出回り炎上する事態となっている。(*下は、読者から送られてきた問題の画像)

ネット上のことで、もう一つ気になるものがある。ヤフー検索で津森氏のフルネームを入れると、下の画面が現れる。

 検索結果の一番に来ているのは「津森洋介 パワハラ」というワード。ハンターにはこの件について複数の問い合わせが寄せられたため取材したが、その結果が選挙戦に影響を与える可能性が高いため、本稿では詳述を控えたい。

■背景に麻生VS武田

相乗り陣営には船頭が多いせいもあって、トラブルが多い。実は、これこそが激戦になった最大の原因なのかもしれない。

津森氏に出馬を要請したのは自民、公明、立憲民主など北九州市の市議会各会派。しかし、地元の自民党県議が出馬表明したことで調整が遅れ、準備が遅れた。

次に陣営が頭を悩ますことになったのが、武田良太元総務相の存在だ。当初は市長選で沈黙を守るとみられていた武田氏が、あることをきっかけに津森氏と関係していることが判明する。登場するのは意外な人物。実業家のホリエモンこと堀江貴文氏である。

武内氏は久留米大学付設高校出身で、同じく同校OBの堀江氏は武内氏の1年後輩にあたる。親交があったらしく、武内氏の応援に北九州入りする計画があったが、直前になってキャンセルの連絡が来たという。

関係者の話によれば、たまたま東京都内の飲食店で一緒になった武田氏とテーブルを囲んだ堀江氏が、「武内先輩の応援に行く」という話をしたとたん、武田氏が「絶対ダメだ。北九州は俺が国交省の官僚を市長にするんだ」と激高。武田元総務相に世話になっているという堀江氏の北九州行は沙汰止みとなった。当然この話は、武田氏と敵対関係にある麻生太郎自民党副総裁の耳に入っていたはずだ。

さらに麻生氏の機嫌を損ねたのは、側近中の側近といわれる麻生派参議院議員の動き。北九州市長選の件で武田氏と接触していたことがバレて親分の逆鱗にふれたようで、その参院議員が開いたセミナーの講師に予定されていた麻生氏は直前でドタキャンしていた。あるセミナー参加者は、「麻生先生ではなく議員本人が講師になったので、みな呆気に取られていました」と振り返る。結局、それやこれやで麻生副総裁の津森氏に対する選挙支援は実現していない。

北九州市長選は、今月5日に投開票を迎える。

【訂正】
・津森氏がたすき掛けで演説したフットサルの試合について、当初「2月1日」としておりましたが、「1月29日」とのご指摘をいただき確認したところ、「ボルクバレット」の地元最終戦は、たしかに1月29日でした。ご指摘に感謝申し上げ、訂正させていただきました。なお、同チームの公式サイトには、1月30日付で本件について以下の「お詫び」が出されておりましたので本文を引用する形でご紹介させていただきます。(2023年2月1日 12:00 ハンター編集部)

「お詫び」

2023年1月29日 北九州市立総合体育館にて開催されましたFリーグ2022-2023 ディビジョン1第21節 ボルクバレット北九州 vs バルドラール浦安戦におきまして試合終了時、市民の皆さまへ2月5日投開票の北九州市長選挙の投票を促すご案内を行う予定でしたが一部候補者のみの登壇となりました。

以上のことよりご指摘やご意見を多数頂戴しております。スポーツの場での政治的活動とのことで有権者の皆さまにはご混乱とご心配おかけしました。真摯に受け止め再発防止に努めてまいります。

弊クラブとしましては、北九州市および市民の皆さまとともに元気な地域、住みよい地域を作りたいと思っております。
我々は地域活性化のためにご尽力されるすべての候補者をリスペクトいたします。
同時に一人でも多くの有権者の方のご投票を切にお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

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