経歴詐称で告発された指宿市長選落選候補陣営に運動員買収の疑い

経歴詐称で刑事告発された鹿児島県指宿市の会社社長の陣営に、今度は運動員買収の疑いが浮上した。

■届出なしで事務員に報酬

運動員買収の疑いが持たれているのは、昨年の指宿市長選で落選し、現在は4月の県議会議員選挙に出馬することを表明している米倉由晋(よねくら よしゆき)氏の陣営。同陣営は、昨年の市長選の際、公職選挙法の規定に反する形で、自派の運動員に報酬を支払っていた。

選挙運動を行う者への報酬支払いは「買収」にあたるが、例外が設けられている。一般的にはウグイスと称される「車上運動員」と、事務所内で選挙運動に関する事務を行う「事務員」である。ただし、「報酬を支給する者の届出書」に車上運動員と事務員のそれぞれの氏名、住所、年齢、使用する期間などを記載し、選管に事前提出しなければならない。

車上運動員への1日あたりの報酬限度額は15,000円、事務員は1日10,000円と定められている。ポスター貼りや設営などの仕事に従事する「労務者」は選挙運動ができないため、事前届出の必要がない。

米倉陣営が指宿市選挙管理委員会に提出した「選挙運動費用収支報告書」によれば、同陣営は「車上運動員」3名に計15万5,000円を、「事務員」1名に10,000円を支払っていた。報酬を受け取ったのは『4名』ということだ。

ところが、市選管への情報公開請求で入手した米倉陣営の「報酬を支給する者の届出書」によれば、事前に届出された11名(車上運動員8名、事務員3名)のうち、実際に報酬を支給された者はわずかに3名。報告書記載は4名であることから、数が合わない。

市選管に確認したが、事前届出された人のうち、収支報告書に記載のある人はやはり3名に間違いないという。つまり、事前届出されていない事務員もしくは車上運動員に報酬を支払ったということだ。

そこで、選挙運動収支報告書と「報酬を支給する者の届出書」を照らし合わせた結果、事前に届出されていない人物に「事務員報酬」を1万円支払っていることが分かった。

また、届出書では事務員となっている人物が、収支報告書では車上運動員として3万円の報酬を得ていた。この人物の連絡先を調べ、本人に確認を求めたところ、明確な記憶ではないとしながらも、1日あたり15,000円の日当で2日間、車上運動員を務めたとしている。事実なら、1万円が過払いとなり、これも運動員買収とみなされる可能性がある。

■問われる公職の候補者としての資格

米倉氏を巡っては、昨年2月に行われた指宿市長選挙に際し、約7年前に失効していた「米国公認会計士」の資格を保有しているものとして選挙公報や選挙ビラなどで公表。事情を知った鹿児島県内在住の男性が、経歴詐称の疑いがあるとして刑事告発したことを報じたばかりだった(既報)。

経歴詐称は、公選法上の虚偽事項公表罪にあたり、故意が認定されれば2年以下の禁固または30万円以下の罰金となる。米倉氏はハンターの取材に、米国公認会計士のライセンスが2016年に失効していたことを「知ってますよ」と答えており、認識していたことは確か。捜査機関の判断によっては、厳しい罰を受けることになる。

また、買収罪は金額の多寡にかかわらず3年以下の懲役もしくは禁錮又は50 万円以下の罰金。米倉氏は、政策を語る前に、政治家としてのイロハを勉強すべきだろう。

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