国民民主福岡・大田京子代表にさらなる政活費詐取の疑い

 政務活動費の不正支出が明らかとなり、元の所属会派を通じて約75万円を県に返金した国民民主党福岡県連代表の大田京子元県議にさらなる公金詐取の疑いが浮上、関係者の話から、県議会事務局が別の政活費支出について改めて事実照会を行う構えであることが分かった。

■政活費詐取に議会事務局の厳しい指摘

 県議会議員を務めていた大田氏の政務活動費支出を巡っては、昨年12月、同氏の夫が経営する会社の家賃を政活費と政治団体の政治資金で賄っていることが判明。この問題を取り上げたハンターの報道を受けた議会事務局が大田氏に事実確認を行い、最終的に約75万円が県に返金されていた。

 県議会事務局が返金を命じる際に大田氏に発出した文書(上掲の写真)には、異例とも思える厳しい表現で、以下のとおり政活費の不正支出(文書中では「過払い」と表現)について指摘。749,116円を返金するよう求めていた。

 貴殿の県議会議員在職中に所属会派(民主県政クラブ県議団)を通じて貴殿に交付された政務活動費に関する当職の照会(令和4年12月28日付け4福総第903号)への貴殿の令和5年1月10日付け回答及び提出書類を議長が委嘱された政務活動費専門委員とともに精査しました結果、下記のとおり政務活動費の過払いがあったことが認められます。

 つきましては、今後、知事から、政務活動費交付会派である民主県政クラブ県議団に対し、当該過払額(749,116円)の返還が求められることになりますので、予め、貴殿より同会派に対し当該過払額を返還されますようお願いいたします。

1 今回過払認定額
⑴ 事務所賃貸料(令和3年1月分~令和4年5月分) 609,243
⑵ 事務所電気代(令和3年1月分~令和4年5月分) 115,330
⑶ 事務所水道代(令和3年1月分~令和4年5月分)   7,143
⑷ スポットクーラー代(令和3年7月20日充当分)      17,400
合計 749,116

 なお、⑴から⑶までの経費に関する内訳は、別紙算定表のとおりです。

2 過払額認定の理由
(1)事務所賃貸料について
○ 貴殿の事務所(福岡市南区大橋3丁目25番1号貞方ビルB号室)の1階部分が、令和3年1月1日以降、ポストワンサービス合同会社に転貸されていた事実が確認されました。
○ このため、同年1月分以降の事務所賃貸料のうち1階部分に係る賃料には政務活動費や政治活動費を充当できなかったことになりますが、貴殿は、この期間、1階部分を含む事務所費総額を対象として後援会活動との50%按分で政務活動費を充当されており、このうち事務所1階部分に相当する賃貸料分は過払であったことになります。
○ この「事務所1階部分賃貸料相当額」について、貴殿が提出されたポストワンサービス合同会社との施設借上契約書(転貸借契約書)には、施設利用料を月額6万円とすると記載されています(第3条)。
○ しかし、次の理由により、この額を「事務所1階部分賃貸料相当額」と認めることはできません。

ⅰ 客観的かつ合理的な根拠なく、政務活動費の充当額が私人間の任意の約定で左右されるべきではないこと。
Ⅱ 月額6万円とすることに客観的かつ合理的な根拠はないこと。
Ⅲ さらに、当該施設借上契約書で賃貸人とされている人物は、本件事務所の賃貸人である㈱モールとは別人であり、当該施設借上(転貸)契約書を正当なものと認めることはできないこと。

○ したがって、1階及び2階それぞれの賃貸料相当額は、事務所費総額を客観的基準である1階と2階の面積比で按分した額とすることが合理的であり、正当と考えます。

 よって、この期間の正当な政務活動費充当額は、次の算式で導かれる額と認定しました。
事務所費月額総額×(2階部分面積70.31㎡)/(全体面積132.27㎡)×1/2(政務活動と後援会活動等との按分)

 なお、各面積は貴殿提出の図面記載の面積としました。また、この式で算出した毎月の正当充当額は、別紙算定表のとおりです。

(2)事務所電気及び事務所水道代

 事務所の電気代及び水道代についても、上記の期間、1階ポストワンサービス合同会社による使用分が入っており、これらの経費に充当された政務活動費が過払になっています。

 しかし、1階と2階の各使用分を別々に管理する措置は講じられていないため各使用料を認定する特段の根拠はありません。

 したがって、これらについても1階と2階の面積比で按分した額と認定するのが合理的で正当であると考えます。

 なお、前述の施設借上契約書の第4条では、ポストワンサービス合同会社分の電気及び水道の使用料を定額の4万円とする旨規定されています。しかし、その額の根拠は不明であり、しかも、電気代及び水道代の実態ともかけ離れています。別紙算定表のとおり、電気代は毎月総額で3万円前後であり、水道代も総額で4千円弱に過ぎず、4万円はこれらの合計額を超えています。

(3)スポットクーラー代について

 貴殿は、本件スポットクーラーを事務所1階に設置するため購入したと説明されています。しかし、購入された令和3年7月時点では1階は民間企業であるポストワンサービス合同会社が使用していたのですから、本件スポットクーラーの購入費に政務活動費を充当することはできません。

 したがって、充当された政務活動費17,400円は過払(不当利得)となっています。

■疑惑のポスティング代

 新たに疑念が持たれているのは、大田氏の夫が経営する会社へのポスティング代の支出。大田氏は以前から、県政報告の形式で「大田京子だより」を作成し戸別配布しており、夫の会社に委託したポスティングの代金の大半を政務活動費から支出していた。下が、県議会への情報公開請求で入手した平成31年度から令和3年度5月までの政務活動費の使途報告及び領収書から割り出した、大田氏の夫の会社への支出内訳である。

 議会事務局は、ポスティングの実態に疑問を抱いているようで、再度の照会を検討している模様だという。

 確かに、何人もの議会関係者が大田氏のポスティング代支出に首をひねる状況で、「印刷業務ができない会社に、印刷代込みでポスティング代の支払いを行うのはおかしい」、「ポスティングや印刷の仕事の実務を下請けにやらせている可能性があり、その場合は大田さんの夫の会社が利益だけを得ているということになる。そうであれば極めて不適切だ」、「そもそも、夫の会社の家賃を払ってやった上に、ポスティングや印刷の仕事まで回すという神経は理解できない。政務活動費の原資が税金であるという自覚がないのではないか」、「新聞販売店でもない大田さんのご主人の会社に、なぜ新聞折り込み代を払ったのか?」といった声が上がっている。

 大田氏の事務所で働いていたという複数の関係者に、大田氏と大田氏の夫の会社の関係について話を聞いたが、異口同音に「おかしいと思っていた」。ある人は、「大田さんのご主人の会社に、10万部もの印刷物を配布する能力があるとは思えない」と話している。

 別の国民民主党関係者の話。
「大田氏は、党の地方選候補者たちに、『印刷物を配布する場合は夫の会社を使うように』と、事実上の指示を出している。大田氏が県連代表なので、断れないと聞いている。政務活動費のことといい、政治を食い物にして夫に儲けさせている構図だ。こんな人を県連の代表にとどめたままでは、統一地方選挙を勝ち抜くことなんかできるわけがない。国民民主党に期待した自分がバカだった」

 一発アウトのはずの公金詐取が報道された後も、何事もなかったかのように振舞っているという大田氏。2度目の不正支出が認定された時、国民民主党は福岡県民にどう言い訳するつもりだろうか。

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